宿を早めに出発したため、フェリテジ空港には9時頃着いてしまった。11時50分の離陸時刻まで３時間、KLMのカウンターでは我々より早い便のチェックインが行われていたが、尋ねると我々の手続きも行ってくれた。ダメもとでなりふり構わず聞いてみるものだ。

しかし、来た時のように、足元が広いオプションシートへの変更を申し出るも、うまくこちらの気持ちを伝えることが出来ず、「ビジネスクラスに変えたいのか？」と、要領をえない返事。結局、帰りは通常シートに座ることになった。

機内の近い席にツアーの添乗員がいたので、ヘレンドで買った陶器の税金還付方法を教えてもらう。乗換えのオランダ・スキポール空港は、FとGゲートの分岐点に手続きのカウンターがあるとのことだ。「税関の証明をまだもらっていないとなると、一時間の乗換え時間では厳しいかもしれませんよ」とのアドバイス。

スキポール空港に14時着、税金還付のカウンターに走る。レシートにスタンプを押してもらい、じゅうぶん間に合ったと胸をなでおろして返金を待つが、係員は奥に引っ込んだまま一向に出てくる気配がない。たまりかねて呼び出すと、返金は銀行窓口で受けろとのこと。再び空港内を疾走する。行きの乗換えの時といい、何だか、スキポール空港ではいつも走っている。それでもB・Ⅽゲートの分岐点にある六角形のブースで、無事に返金を手にして15時離陸。

翌日10時40分、成田空港着。JR駅に向かう篠さん・上さんと別れる。空港の雑踏の中に、二人の姿はすぐに見えなくなった。

私は大きく深呼吸を一つして、ぐっと息を飲み込むと、京成電鉄のプラットホームに向かう階段を下り始めた。それは、遥か東欧に再び向かう、旅の出発点であるという予感を感じながら…。