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ロイヤル・ウェディングにも遭遇。世界一の富裕国・ルクセンブルクは、緑あふれる穏やかな小国だった。

ルクセンブルグに日帰り旅行をするため、ブリュッセル中央駅に向かうのですが、駅が見当たりません。

中央駅のプラットフォームはすべて地下にあるため、地上から電車が全く見えないし、駅の入口はシンプルで狭い。まるで、世を忍ぶ水戸黄門のような駅なのです。

通常は鉄道駅がランドマークになるはずですが、駅の向いに建つマリオットホテルの方が、はるかに目立ちます。

こうして探しあてた駅に入ると、巨大な電光掲示板の下に国内線の切符売り場が見えます。その左側、「Travel Centre Info」と表示のある部屋が、国際線の切符売り場です。

ここで、ブリュッセル中央駅 11:37 発のチケットを購入、列車に乗り込みました。

12:45  Namur 駅を通過。大きな川と古い街並みが車窓から見えます。
13:20  Marloie 駅を通過。 林業の町でしょうか。駅の向こうに、材木が山積みになっています。
13:50  Ribramont駅を通過。

14:40  ルクセンブルグ着。

ブリュッセルからルクセンブルグまで、3時間の列車旅。牧場や小川、森林と並行して走る、とても気持ちの良い路線でした。


下車したルクセンブルグ中央駅で、まずは帰りのブリュッセル行き列車の出発時刻を確認。16:20 , 17:20  , 17:53… と、頻繁にあるようです。


市街地には白バイが集結していて、何だか物々しい雰囲気。仮面ライダー全員集合!みたいな絵柄です。

実は本日、ルクセンブルクのギヨーム皇太子(Prince Guillaume)と、ベルギー貴族のステファニー・ドラノワ(Countess Stephanie de Lannoy)さんとの結婚式が行われていたようです。

公園に設置されたモニターでは、式の様子が中継されていました。

日本であれば、ロイヤル・ウェディングということで騒然となるのでしょうが、市街地は渋滞もなく、いつもと変わらない日常が流れていました。


ルクセンブルク公国は人口わずか57万人、面積も神奈川県ほどしかないヨーロッパの小国です。首都は国名と同じ、ルクセンブルク市。

「王国」(Kingdom)が国王を君主とするのに対し、公国は「公」すなわち貴族を君主とする国で、英語では “duchy”(dukeが治める国)あるいは “principality”(Princedom, princeが治める国)と訳されます。

旧市街は「北のジブラルタル」の異名をもつ難攻不落の城砦都市。ペトリュス渓谷に守られた天然の要塞で、断崖と2つの川に囲まれた地形を生かして造られた街並みは、世界遺産に登録されています。

地形的にはちょっと金沢に似たところがあります。

 

ルクセンブルクの国民一人当たりGDPは世界一、日本の3倍近くもある富裕国です。
1960年代にルクセンブルクは、経済を牽引していた鉄鋼業の不振を受け、オフショア市場として金融立国を目指す方向に舵を切ります。

オフショア市場とは、国際銀行業を誘致するため金融規制を緩和し、税その他の課金を減免する地域です。

小奇麗な街を歩きながら、しかし、高層マンションや高級外車、“華麗なるギャツビー”みたいな成金らしき人の姿を目にすることはありませんし、通りにホームレスが寝ていることもありません。

ルクセンブルク居住者の45%は外国人で、特にポルトガル人の労働者が多いそうです。

移民が非常に多いのに貧困が表に見えない地域として代表的なのが、シンガポールとカナダとルクセンブルクといわれます。

端的にいうと、シンガポールは他宗教排斥や人種差別の言論を封じることで、カナダは福祉国家として移民にも平等に教育機会を与えることで、そしてルクセンブルクは富裕層が富を見せつけない配慮によって、不満が生じにくくしているそうです。それは最良のテロ対策でもあります。

金融業というソフトパワーで立国しながら、格差を最小化することで社会秩序を成り立たせている、この国特有の知恵には学ぶ点が多そうです。
ルクセンブルグ16:20 発 ⇒  ブリュッセル中央駅 19:25 着の列車に乗車。
列車の中、そろそろ終点かと思う頃、電光掲示板に ” Bruxelles-Midi ” との仏語の表示がされたので、てっきりMidだから中央駅かと思って降りる準備をしましたが、南駅のことでした。中央駅は「Centraal」です。

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