「ロッキー3」のパンフレット

私を感動の坩堝に叩き込んでくれたロッキーシリーズ、その第3弾が公開された。

壮烈な闘魂で世界を沸かしたタフガイ、ロッキーが、いま三たび、そして最後のリングにのぼる。

古都フィラデルフィア。
世界ヘビー級チャンピオンの座を防衛して3年。
王者ロッキーは妻エイドリアン、1粒種のロッキー・ジュニアに囲まれ、まさに絵に描いたような人生の至福にあった。

だが、その絶頂感に冷水を浴びせるがごとく、かつてない強敵が現れた。

モヒカン刈りも猛々しい謎の黒人ファイター、クラバー・ラング。

 

アメリカン・ドリームに酔いしれるロッキーとその周辺に、いま狂ったように挑発ののろしをあげた凄い奴。

しかも、一躍全米マスコミの寵児と化したロッキーからは、持ち前の闘争本能が次第に失われていた。

果たして、このままで勝てるのかロッキー!

自らの波乱の半生をダブらせて書き上げたオリジナル・シナリオを演じて、劇的なスーパースターの座を築いたシルベスター・スタローンが、前作に続いて監督・脚本・主演の3役。

近作「勝利への脱出」でも好調な彼が、飛び切りの千両役者ぶりを披露する。

今回の目玉は、元モハメッド・アリやレオン・スピンクスらのボディガードとして鳴らしたミスターTをシリーズ最高の仇役クラバー・ラングとして迎えるほか、人気のブロンド・レスラー、ハルク・ホーガンが、度肝抜く見せ場を形成している。

ロッキーは参加させる映画だ

和泉聖治

 

「ロッキー」の大成功とともに、スタローンも一躍映画界の寵児として躍り出て、富と名声を手中に収めることができた。

スタローンならずとも、この宝の山である「ロッキー」を完結させてしまうには余程の決心がいる。

「ロッキーはロッキーのワンマン・ショウで終わらせるべき作品なんだ」スタローンは「ロッキー」の終了を3作目で宣言した。

ロッキーも人間である以上、シビアな現実が待ち受けている。

いつか敗けるときが訪れる。

スタローンはロッキーを永遠不滅のチャンピオンとして終わらせた。

映画人としての彼の勇気と決断には頭が下がる。

ラストで見せたアポロとロッキーのクロス・カウンターのストップ・モーションが「ロッキー」の終了を感動的に飾った。

「ロッキー」は見るものを参加させる力を持った作品であった。

試写場を出ると、5月の日差しは熱く、興奮冷めやらぬ人々がたむろしていた。

その中に数人の友人を見つけ、近くの喫茶店でアイス・コーヒーを飲んだ。

「ロッキー」の完結に一抹の淋しさを覚えながら。

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