アーサー・ギネスが1759年、ダブリンのセント・ジェームズ・ゲート醸造所で作り始めた「ギネス・ビール」、現在では世界を代表する黒スタウトとして、広く知られています。
2000年、醸造所のホップ貯蔵庫がビジター向け施設に改装され、博物館・ショップ・レストランで構成されたアトラクション施設「ギネス・ストアハウス」としてオープンしました。
ビール好きの私としては、訪れないわけにはいきません。
ダブリン、何だか私のためにある街みたい。
二階建ての観光バスに乗り、ハウスに向かいます。
英国では「ポーター」と呼ばれる、上面発酵の濃色エールビールが流行していた18世紀半ば、アイルランドのセルブリッジで宿を家族経営していたアーサー・ギネスは、このポーターを研究し尽くし、休業状態にあったセント・ジェームズ・ゲート醸造所を9,000年契約⁉︎ で借り受け、独自のレシピによるポーターを世に送り出した。
当時は麦芽に税金がかけられていたことから、麦芽化されていない大麦をローストした焙煎大麦(ローステッドバーレイ)を、原料の一部に使用。
色がより濃く、アルコール度数も高く、香ばしい苦味を持ったポーターは「スタウト(強い)」と呼ばれ、人気を博すことになった。
ストアハウスは、時間帯によっては混雑するそうなので、9時30分のオープン直後、訪問しました。
入場券は、窓口で買うと 15€ ですが、13.5€ に割引される公式サイトにて購入済み。(1€ = 約119円で換算。約 1,600 円)
(入場料金を2023年5月にチェックしたところ、シーズンや時間帯によって変動するシステムになったうえ、26~30€に跳ね上がってました。しかも円安進行のため1ユーロ150円をつけたので、3,500~4,500円の入場料となっています)
外観は重厚な工場の造りそのままですが…

ひとたび中に入ると、モダンなデザインのアトラクション設備が整っています。
アイルランドでは英国と同様、建物の地上階をground floor、そのひとつ上の階をfirst floorと呼ぶので、施設は7フロアから成るが、最上階は6th floor となる。
Ground floor は、ギネスビールの原材料となる麦芽、ホップ、水などの展示フロア。
水は、ダブリンの南にあるウィックロー山地から湧き出る天然水を使用。麦芽はアイルランド産で、同国の醸造用大麦の2/3はギネス用に消費されるそう。
First floor では、ギネスビールの歴史や製造工程が紹介されている。

回転釜内では動画が投影されており、232℃で焙煎するのが、ギネスの味を作る秘訣なのだとか。
Second floor は”Taste Experience”
ギネスビールは注ぎ方やグラスなどによって、大きく味や風味が変わってしまう。ギネスの正しい飲み方と言うものが存在し、完璧はこんなに美味しい、ということが飲み比べて体験できる。
また、料理に応用できるレシピも配られており、ギネスで牛肉を煮込んだシチュー(ビーフ・アンド・ギネス)や、ギネス入りの小麦粉で衣をつけたフライなどが紹介されている。
3rd floor では、アイルランド人のユーモラスに富んだ、ギネスの多彩な広告の歴史を見ることができる。
ギネスはグラスに注いだときに大量の泡が発生するため、注ぎ終わってから泡が落ち着くまで間を置く「サージング」という行程が欠かせない。
自分が注文したとおぼしきグラスがカウンターに置かれたままになっていても、それはサージング中なのであって、店員のミスではないのです。
ギネス社は「待つ人には良いことが来る」「1パイントを完璧に注ぐのに119.53秒を要する」のような広告キャンペーンで、この「待ち」を美徳に変えた。
4th floor は「ギネスアカデミー」
実際にサーバーを握り、グラスを持ってギネスの注ぎ方を学べます。
5th floor はブリュワリー・バー (Brewery Bar)
人でごったがえしている最上階のバーより、落ち着いてランチやビールを楽しめる、との声もあり。
最上階の6th floor はグラビティ・バー

入場料には1パイント無料券が含まれているので、こちらでプロのバーテンダーに最高の一杯を頂くのもよし、ギネス・アカデミーで自ら注いだパイントを持って来て飲むのもよし。
ギネスの魅力は「クリーミーヘッド」と呼ばれる、その繊細でクリーミーな泡。
その理由は、炭酸ガスに加えて、小さな気泡を作る「窒素ガス」を溶け込ませてあるため。
また、ギネスに限らず、ビールは注いだとき、グラス表面の泡は上方向へ向かう速度が鈍る一方、中心部の泡は自由に上昇できるので、上向きの水流を作る。
中心部のビールが上昇するから、グラス周辺のビールは下向きに流れる。この流れが、グラス近くの泡を底に向かって押すことになり、外から見ると、気泡が上から下に沈んでいくように見える。
特にギネスビールの場合、暗い色の液体と、軽い色をした細かな窒素泡が対比され、泡が滝のごとく流れる落ちるように見える。
「ギネス・カスケード」と称される、この泡のうねりは、視覚的にも楽しめる、ギネスビールの魅力といえる。
360度 (正確には330度くらい) ぐるりガラス張りのグラビティ・バー、窓からはダブリン市内が一望できます。
市内には高層ビルがないので、展望台から眺めたような景色。
実際にビールが作られている醸造所を見学したい場合、ストアハウスとは別に、ツアーを予約しなければならない。
ビールを飲み終わったら、一階へ。案の定というか、もちろんというか、ギフトショップが設置されている。
いろいろなビールグラスが売られており、好きなグラスに名前を彫ってくれるサービスもあり。
ギネスは「ワールド・レコーズ」の発刊でも有名。
当時のギネス代表取締役が仲間と狩りに行った時、ムナグロ (チドリ科の鳥。顔から腹までが黒色) とライチョウのどちらが速く飛べるか議論になったことが発端。
「一番を集めた書籍」を作って町中のパブに置いたら、良いプロモーションになるのでは? と思いついたそう。
