アルミフライパンの特徴
本日、アルミフライパンを購入しました。
メーカーはAKAO、商品名「DON」
サイズ27cmです。
アルミフライパンは、鉄やテフロンのフライパンと比べて汎用性が低く、デパートの調理器具売り場にも並ぶことが少ない、ニッチな商品です。
なぜ汎用性が低いかと言うと、炒め物に不向きだからです。油馴染みが悪いので、焦げ付きやすいのです。
半面、良いところもあります。
熱伝導率が大きく、熱しやすく冷めやすいため、温度コントロールが容易にできます。そして、この性質はペペロンチーノはじめ、パスタを作る上では欠かせないのです。
ニンニクを炒める場合、鉄のフライパンは熱が逃げにくいため、ニンニクから香りが出始めてから弱火に戻しても、焦げてしまいます。
アルミであれば、フツフツとニンニクから泡(香り成分)が出てきたとき弱火にすると、熱がすぐ逃げてくれます。
重要なのは、パスタ料理に不可欠な「乳化(油と水が混ざり合う = Emulsion)」がしやすいこと。
乳化ソースは、「熱い」より「温かい」くらいが適温。
温度が低すぎても高すぎても、乳化は失敗します。
なぜかというと、温度が低すぎると油は固まりやすく、逆に温度が高すぎると水は蒸発するためです。
温度コントロールがしやすい、アルミフライパンが乳化に適しているというわけです。
ちなみに、乳化に最適温度はないとされますが、撹拌するとき2つの液体(油と水)に温度差があると、1つの液体になるには時間がかかります。
水と油は、分子構造の違いから、お互いに分子の中に溶け合うことはありません。しかし、ある条件下では混ぜ合わり(溶けたわけではない)、乳白色にトロっとした1つの液体に変わります。
これがまさしく「乳化」で、乳化によってトロミがつくことはとても大切で、もし水と油がお互いにそっぽを向いてしまうと、ただ水っぽく、そして油っぽく、さらにメイン食材(パスタなど)に絡まない、という残念な結果になるでしょう。
乳化液は料理のトロミとコクを引き出すだけではなく、油っぽさを軽減させ、「テクスチャー」つまり、口の中に入れた時の舌触りや歯触りなど、「触感」が楽しめるのです。
乳化は油と水分(素材の中の水分も含む)を使うものなら、どんな調理でも起こります。
プロが作る美味しいチャーハンは油がたっぷり使われることが多いですが、あまり油っぽさを感じません。油を一粒一粒のお米とコーティングさせることで、「ご飯から出る水分と油が乳化」しているからです。
こってりラーメンも同様。油と水分が乳化することでトロっと滑らかなスープになり、それがよく麺と絡みます。
乳化は、水と油のお互いが分裂して混ざり合うのではなく、一方が分散することで他方に包み込まれます。
具材を絡めるソースのほとんどが水中油滴型、つまり水分の中に油が分散された状態、大きな水たまりの中に、油が点々としている状態です。
油と水の割合は、分散する液体(つまり油)が多いほどトロミが強くなります。「油1:水分1」から「油3:水分1」あたりが、もっとも濃厚な乳化液になります。
パスタソースで乳化させる場合は油を入れすぎず、「油1:水分1」もしくは「油1:水分2」あたりが最適です。
うまい乳化液の作り方は、最初は優しくかき混ぜてやること。可能なら、分散相となる油を少しずつ水分に加えていき、その都度かき混ぜる。こうすることでキメの細かい乳化液が完成します。
ケーキ作りをしている人ならご存知だと思いますが、「生地に油を少しづつ加えて滑らかになるまでかき混ぜる」あの作業のことです。
最初に少量の油でキメの細かい乳化液を作ってしまえば、あとは残りの油を加えてだんだんと強くかき混ぜていきます。
ひとたび乳化液が完成したら、乳化液のトロミを強くするか弱くするかは、ここで調整します。
ポイントは、さらに強くかき混ぜればトロミが強くなるのではなく、分散相(油)の体積を多くすれば、よりトロミが付きます。つまり油をさらに加えて撹拌すれば、より粘土の強い乳化液が完成します。(乳化してないのに油を加えたら失敗します)
「乳化させたいなら激しく混ぜ合わせる」というのは理にかなっています。
油と水分が分離したドレッシングの瓶をよく振ったり、ボール内の油と水分を泡だて器やミキサーで激しく撹拌すると乳化が起こります。(ただし、強く激しく撹拌するとキメが粗く分離しやすく、すでに乳化したものを激しく撹拌してもトロミは強くなりません)
パスタソースなどで、ニンニクなどを炒めた油にパスタの茹で汁を加える場合は、水分を加えるのであって、油を少量ずつ加えることができません。
そのときにも、茹で汁を入れたら最初はゆっくりかき混ぜる。イメージは、油は水に浮くので、油を茹で汁の中に潜り込ませる感じ。(イメージを理解するだけでも違います)
油と水の乳化を助けるのが「乳化剤」です。
タンパク質やでん粉がその役目を果たし、ペペロンチーノでパスタのゆで汁を使う理由は、でん粉を乳化剤として利用するためです。
乳化剤は、でん粉よりもタンパク質、さらには乳製品(すでに乳化済み)の方が役立ちます。
乳化がうまくいかないとき、バターやチーズを少量加えると、うまくいく場合があります。
料理にバターを入れるのは、風味やコクを求めるとともに、乳化剤としても利用するためです。
鉄のフライパン
油が馴染みやすく、強火で一気に炒めるのに向くのが鉄のフライパン。
鉄のフライパンには目に見えない小さな穴があいています。
その穴に油の膜を張ることで油が均一に回り、焦げ付きを防ぐことができます。
そのため使用する前に、クレンザーで表面の保護膜を剥がしてから、古い油(揚げ物をした残り油など)大さじ2杯と、野菜くず(余った食材でもOK)を中火で気長に炒めて、しっかりフライパン全体に油の膜を張るように馴染ませてます。
この膜が焦げ付きを防止します。
そのため、油の落としすぎは厳禁。つまり食器用洗剤は使わず、お水かお湯で洗うようにしましょう。
焦げ付きができたときは、ナイロンたわしや、ささら(竹製のブラシ)で汚れを落とします。
鉄は、加えられる力には強い素材なので、固い毛の道具でこすっても平気です。
鉄は、水分が残っているとサビてしまいます。しっかり火にかけて水分を中までとばし、最後に油をキッチンペーパーなどでひいておきましょう。
このときフライパンの内側だけでなく、外側にも塗ること必要です。
テフロンのフライパン
「テフロン加工」というのはデュポン社の商標登録で、一般的には「フッ素樹脂加工」といわれます。
弱火で柔らかく火を通し、低温の油で素材を包み込む料理、ソテー・ムニエルに適します。
調理の際は、ムラが出ないように絶えず素材を動かすのがポイント。
表面摩擦が少ないので、リゾットにも向きます。
フッ素樹脂加工は非常に熱伝導が悪いため、なかなか温まらないと感じて強火にしてしまいがちですが、鍋底に火が当たるか当たらないかぐらいの中火以下が火加減の目安です。
通常、調理をするのに適切な温度とされるのは最高で180℃まで。
「PTFE」というフッ素樹脂加工のフライパンは、230℃で粒子が発生し、350℃で有毒ガスが発生します。
PTFEを使用したフライパンで絶対に「空焚き」してはいけません。