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飲食店のカウンター・座席づくり・塗装

カウンターの高さと奥行

カウンターを支えるスタッド (銀色の軽鉄材) を立て、ベニヤ板でカウンター下部を覆います。

 

⇩これが設計図。


カウンターの高さは「ハイカウンター」仕様、 1050mmにしました。

カウンター内側に設置したシンクの高さが850mmなので、1050mm 確保することで、洗い物をしながら、その手元を隠しつつ接客できます。

最大のメリットは、お客さんと目線の高さが合うことです。

 

テーブル高さを 700~750mm に設定するのが「ローカウンター」。お客さんが食事に集中でき、バーというよりレストラン向きのカウンターです。

1000~1100mm の間仕切りを挟んで、テーブル高さをキッチン作業台850mm と同じくらいに設定するのが「ミドルカウンター」。

ローとハイの中間となり、お客さんが食事をしつつカウンター越しに会話もできる高さですが、カウンターに合う550mm程度の高さの、椅子の種類が少ないことがデメリットです。

 

店の雰囲気に合わせたカウンターづくりが必要ですが、私はハイカウンターにしたおかげで、お客さんとの会話を楽しむことが出来ました。

しかしハイカウンターに合う、高さ900mm程度という椅子の種類が少なく、結局は昇降・回転式の「バーチェア」に落ち着きました。

 

ただこれも、回転式は乗り降りには便利なのですが、クルクル回って「落ち着かない」とこぼすお客さんもおりました。

開店当初は非回転式の「ハイチェア」を設置したので、足元に高さ 250mm の足置きを作りました。

これも時によって、お客さんが足をブラブラさせて足首を引っ掛けたりしたので、ステンレスバーなど、なるべくシンプルなものが良いかもしれません。

 

カウンターの奥行は 600mm としました。

ハイカウンターのメリットとして、テーブルの奥行きを短くでき、限られたスペースでも設置しやすいことが挙げられます。

したがって、奥行400mm という例も見受けられます。

 

しかし私は、 600mm を確保したおかげで、お客さんと丁度いい距離感を保てたと思います。

ドリンクだけならいざしらず、食事もとなると、400mm ではお客さんも落ち着かないと思います。

 

カウンターテーブルの下に、荷物置き場の棚も作りました。

カウンター幅は 600mm とりましたが、シンクにも被っているため、棚の奥行は 200mm が精いっぱい。

膝回りが当たらないようにするためには高さも 200mm が限界で、収容力は低く、「ないよりも、あれば便利」程度の棚でした。

 

なお、この棚に本など置き忘れてしまうお客さんもいるので、退店後のチェックは必須です。

 

カウンターの長さは2200mm、3席を確保しましたが、食事するにはちょっと窮屈な結果となりました。


シンクの給水管は完全に隠れることになり、メンテナンスを考えるとちょっと心配です。
ベニヤ板に漆喰を塗ります。上部には荷物置きを、下部には足置きを設置する予定なので、見える部分だけ大雑把な塗装でオーケー。

友人が、漆喰にまみれながら塗ってくれました。

 

漆喰は見た目は上品で良いのですが、実際に使用してみると、酔ったお客さんが無意識に壁を蹴って靴汚れが付いたり、場合によってはポロリと剥げてしまったりで、物が当たる部分にはビニールクロスを張った方が良かったと、後で思いました。

同様の理由で壁についても、椅子などが当たりそうな箇所は石膏ボードではなく、木材が適します。

 

「お客さんは、座っている間もじっとしていない」開店後に学んだ教訓です。

固定式のハイチェアに座ったお客さんが酔うにつれて、シーソーよろしく椅子を前後左右に揺らし始め、ひっくり返るんじゃないかとヒヤヒヤしたこともありました。

塗装も終わり、あとはカウンターが届くのを待って、据え付けるのみです。


これはいい! 「前垂れボーズ面」

ネットでカウンター板を注文しましたが、この会社の注文システムが分かりやすく、素晴らしかったです。
サイズの選択からスタートして、面取り・コーナー・穴あけ加工のオプションへと、順序よく画面が進んでいきます。

 

そして、「前垂れボーズ面」の加工も受けてくれました。

カウンターは長さに対して厚みがないと、強度は確保しても貧弱に見えてしまいます。

かといって単純に厚くすると、見た目の重厚感は出るのですが、重量がかさんでしまいます。

 

そこで、正面の見える部分だけ厚くする加工が「前垂れボーズ面」です。
カウンター本体の厚みは25mmのまま、正面だけ倍の50mmにすることが出来ました。

カウンター断面の丸みを表す「角アール」は、5Rmm としました。単三乾電池ほどの丸みです。

タバコが3R、50円玉が5R、缶コーヒーが25Rです。

角アールを、カウンターを上から見たときの四隅を表す「コーナーアール」と間違えないように。

 

 

自分で設計・工事して実際に使用してみると、「あれれ」と思うこともありました。

しかし、このカウンターに関しては、支柱にピッタリはまったこともあり、上手くいった典型例となりました。

カウンターが到着。プラモデルが趣味という友人が、塗装を買って出てくれました。

カウンターは水に濡れることも多いため、「ハッスル撥水君」という、透明水性ウレタンニスを二度塗りしました。

 

「ニス」は、透明で光沢のある仕上がりになります。

下地が透けて見えない、いわゆるエナメル仕上げにする塗料を「ペンキ」、逆に、下地が透ける仕上がりにするのが「ステイン」塗料

 

「ハッスル撥水君」は乳白色ですが、塗布後は透明になり、美しいツヤが出ました。

集成材は水濡れすると、四角模様に染みが出来て汚くなるといわれますが、丁寧な塗装のおかげで、この後5年間使い続けることが出来ました。

 

塗料の種類

塗料は、以下の4つの材料から成っています。

① 顔料 = 色の素。透明な「クリヤー塗料」には含まれない。

 

② 合成樹脂 = 塗膜をつくる成分。

アクリル → ウレタン → シリコン → フッ素 の順に耐久性が増す。

 

③ 添加剤 = 防虫・防腐・防カビのほか、艶消し・密着性など、塗料に機能性を付加する。

 

④ 溶剤 = 上記3成分をとりまとめ、塗料として塗装できる状態にする。

有機溶剤を用いた「油性」と、水を用いた「水性」の2つに分かれる。いずれも塗装後は、塗料の乾燥に伴って蒸発する。

 

油性塗料は油分の多い木材となじみが良く、内部に浸透し、表層近くに保護層をつくる(浸透型)
水性塗料は油分の多い木材には浸透しにくく、表面に塗膜をつくる (造膜型)

 

木目を生かすなら「浸透型」がおすすめ。

一方、再塗装の場合などは、すでに傷んだ木部を保護し、見た目を一変させる「造膜型」が向いている。

 

水性塗料 油性塗料
希釈材 有機溶剤(シンナー)
メリット 若干安価。臭いが少ない 耐久性が若干高い
適 性 モルタル壁には吸い込みがよく、浸透しやすいためクラックにも強い。

木部には塗膜となり、撥水効果を発揮する。

密着性が良いため、サイディング・トタン・付帯部(破風板・雨戸・鉄骨階段)に適す。

木部には色が浸透するため、にじみ感が出る。

 

「ラッカー」とは、一般的な溶剤よりも強い油性溶剤です。

 

一方、「アルキド樹脂」はラッカーにしか溶けない性質を持ちます。

「アルキド樹脂ラッカー」と呼ばれる塗料は自己平滑性に優れ、仕上げの研磨なしで強固で美しい塗膜ができます。

ただし、乾燥速度が比較的早いため、作業速度が遅いとムラになることがあります。

 

 

木工塗料の塗り方ポイント

最初の一回は希釈量いっぱいまでうすめてから、薄く塗ります。

木材の隙間にニスを浸透させて、重ね塗り時に吸い込みをなくすためです。

二回目は、なるべく薄めずに塗ります。

ただし、ハケの跡が残るような場合は少しうすめてください。

 

1回目で木材の目止め、2回目で表面を平滑にし、3回目の塗りで光沢を出します。

重ね塗りするたびに紙やすりで研磨します。400番の粒度がちょうどよいです。

最後の一回を塗り終えたら、順に目の細かいやすりで磨くことにより、美しいつやが出てきます。

 

カウンターがしなっては不様なので、中間に支柱を1本入れました。

しかし使ってみたら、お客さんの膝が支柱に当たる結果となり、ちょっと不便でした。

 


カウンターとお揃いの集成材を、カウンター上の棚として、天井裏の梁から吊るしました。写真右は、梁と鋼材の連結に使った金具です。

 


ホームセンターで見つけた、カウンターとお揃いの集成材。


天井裏はこんな様子。

 

椅子を選ぶときは「差尺」を計算

カウンターが無事に設置されたので、次は椅子を選ぶことになりますが、ポイントとなるのが「差尺」です。

「差尺」とは、「机の天板の高さ」と「椅子の座面の高さ」の垂直距離のことを指します。

差尺が小さすぎると足回りが窮屈なうえに、肩からデスクまでの距離が遠くなるため、前かがみになってしまいます。背中は椅子の背もたれから離れ、腰への負担は計り知れないものとなってしまいます。

逆に差尺が大きすぎる場合は、肩からデスクまでの距離が近すぎ、腕や肩が常に持ち上がったような状態になってしまいます。

しっかりと椅子に座り、テーブルに腕を置いた時、肘が直角になる状態が理想です。

適切なサイズの目安は、座高の1/3 マイナス 2~3cm といわれます。

身長170cmであれば、座高は × 0.55= 93.5cm。× 1/3 = 31cm 。 2~3cm マイナスして 28~29 cm が差尺の目安となります。

 

ホールの座席配置

下図左に対して右は、座席数は少ないですが、「組数」は8組と多くなっています。

業態や店のコンセプトにもよりますが、座席数より組数が大事。カップルにはカップルに適した席、家族連れには家族連れに適した席があります。目線の方向が違えば、何度か来店しても違った景色が楽しめます。

また、6人席に2人しか座らなければ、満席率は30%。テーブルを組み合わせることで、グループ対応できる配置にしておくことが効率的です。

 

1坪に対する客席数の標準は、2.2~2.5 席。ゆったり型は1.5~1.8 席です。

 

「厨房 : ホール」の面積比率は、一般レストランが4 : 6、居酒屋が3 : 7 、カフェ・バーが2 : 8 が目安です。

 

テーブルの大きさは2人席で、レストラン 65 × 70cm 、居酒屋  60 × 70cm、カフェ 50 × 50cm が目安です。

 

「テーブルの下に椅子が入るか」など、寸法を細かくチェックしないと、図面では収まっても、実際の場面でトラブルが意外と起こるものです。

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