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免疫を高めて病気を治す 「口の体操 あいうべ」

健康長寿実現に向けて注目を集める「フレイル予防」

 

最近は、「お茶や汁物でむせる」「沢庵やさきいかを噛み切れない」といった「オーラルフレイル」分野も話題となっています。

予防は、歯みがきとともに、口を動かす筋肉を鍛えること。

本書は、そのための指針の一書となるでしょう。

 

著者 : 今井一彰

1995年 山口大学医学部卒業。同大救急医学講座に入局し、集中・救急治療に従事。

2006年 福岡県「みらいクリニック」院長。

「あいうべ体操(息育)」「ゆびのば体操(足育)」という、二つの「ソクイク」で病気にならない体づくりを提唱。

 

 

 

病気は自律神経の乱れから

今井氏は病気を治すたには、「病気をもたらした、無理な生活習慣やクセ、考え方を改めるぺき」と強調します。

東洋医学の研鑽を積んだ経験から、「西洋医学では、症状が一時的にピタッと収まる、ステロイドなど切れ味の良い薬が多用される。

例えば、発熱に対して、西洋医学は熱を下げるために投薬する。しかし、東洋医学では逆に、熱を上げて発汗を促す」

とし、人間が本来備えている自然治癒力を重視、 「電気があっても電源が入っていなければ動かない。病気が治る体に、スイッチ・オンしましょう」と説きます。

スイッチをオンするための方法が「あいうべ体操」、本書のテーマです。

 

今井氏は、病気の原因を「自律神経の乱れ」とします。

 

自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があります。

 

交感神経が優位になると副腎からアドレナリンが分泌され、その受容体を持つ顆粒球 (好酸球、好中球、好塩基球) が増え、心拍数や血圧が上昇します。

その際に活性酸素が放出され、これがガンや糖尿病、脳梗塞やリウマチの一因とされます。

また、顆粒球が少ないと細菌感染症に対する抵抗性が低下しますが、 逆に過剰になると、皮膚のブドウ球菌など常在菌や侵入菌と反応して、化膿性の炎症を起こしやすくなります。

具体的には、急性肺炎、肝炎、腎炎、歯周病など。

「関節リウマチも歯周病も、出現する部位の違いだけであって、全身的にみれば同じ炎症」と、今井氏は分析します。

 

副交感神経が優位なときは「アセチルコリン」が放出されます。

アセチルコリンは、心臓の活動を抑制して鼓動を遅くしたり、消化管の運動を活発にさせたりする神経伝達物質。

アセチルコリン受容体を持つリンパ球 (T細胞、B細胞、NK細胞、ナチュラルキラー細胞など) は、副交感神経が優位なときに活性化します。

メリハリのない生活を続けると、副交感神経優位に傾き、リンパ球が増えることで免疫過敏になり、花粉症やうつ病の要因とされます。

 

元凶は「口呼吸にあり」

人間は、言葉を発するようになったため、口も気道として使うようになりました。

嚥下性肺炎は、人間だけにみられる症状です。

「加湿機能つきの空気清浄機である鼻を使わず、口呼吸になることで、口腔内が炎症を起こす」と今井氏、「発病するとき、強い口臭がするのはこのため」と指摘します。

同時に、抜け毛・疲れ目・こむら返り・肌の乾燥・集中力低下など、「血虚」の状態が発病時にはみられる、とも。

「いびき・ため息も口呼吸の一つ」とし、「ため息をつくと幸せが逃げる」と言われるのは、「発病につながるから」と持論を展開。

 

「たかが呼吸と思っていると、人生まで変わってしまう」と警鐘を鳴らします。

「人がつまづくのは小さな段差。

大きな段差はよけることができるが、小さな段差は意識していないからこそ、つまづいて転倒する。

けれども、骨折した結果ばかりに目を向け、段差は放置されるからまた転ぶ」

 

では、どうするのがよいのか。

「心を奮い立たせようとしても、空回りする。まず行動を変えてみる。

意識が変われば行動が変わり、それが身体を変えていく」

その具体的な行動が、以下に述べる「口の体操 あいうべ」です。

 

「あいうべ」の方法

 

 

 

①1日30セットを毎日継続して行う。

②声を出しても出さなくてもよい。

③口を開けるとあごが痛む場合は「いー」「うー」のみを繰り返しても良い。

④湿度が高い風呂で行うと口が乾燥しない。

以下の病気の治癒・改善事例が報告されています。

○ アレルギー性疾患(アトピー、ぜん息、花粉症、鼻炎)
○ 膠原病(関節リウマチ、エリテマトーデス、筋炎、シェグーレン)
○ うつ病、うつ状態、パニック障害、全身倦怠
○ 腸疾患(胃炎、大腸炎、便秘、痔)
○ 歯科口腔(歯周病、ドライマウス、あご関節症、虫歯)
その他(いびき、異常性乾癬(かんせん)、高血圧症、腎臓病、風邪など)

 

大切な「舌の位置」

「鼻呼吸のために大切なことは、舌の位置」と、今井氏は強調します。

口内上部のカーブ部分花子興 (硬口蓋) にベッタリ付いている状態が、舌の正しい位置」とし、「これなら、口腔内の空間をせばめ、唾液の蒸発も防ぐ」

さらに「舌が上がっていれば、ため息もつけないから、がんばろうと思うしかない」とも。

 

いびきについては、「仰向けで眠ることにより、舌根が気道に引き込まれて生じる騒音」と解説、「飲酒すると、咽頭や舌の筋肉が弛緩、ますます舌が落ち込む」

 

「あいうべ体操は咀嚼筋だけでなく、口輪筋や舌筋を鍛えることで、口呼吸を改善できる」と締めくくっています。

 

「あいうべ体操」の他にも…

「ぱたから体操」というのもあるそうです。

「ぱ・た・か・ら」を一語ずつ発音するというもの。

慣れてきたら、一音ずつ何回か繰り返しながら、四語をつなげて発音します。

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