法律の問題について過去3年間をふりかえると、「障害者 総合 支援法 (しょうがいしゃ そうごう しえんほう)」「障害者 差別 解消法 (しょうがいしゃ さべつ かいしょうほう」の問題が出ました。
最近のニュースを聞くと、「虐待 (ぎゃくたい)」が社会の大きな問題になっているので、「高齢者 虐待 防止法 (こうれいしゃ ぎゃくたい ぼうしほう」「障害者 虐待 防止法 (しょうがいしゃ ぎゃくたい ぼうしほう)」も勉強しておきましょう。
法律の勉強をするときは、法律の「目的」「言葉の意味 (= 定義 / ていぎ)」と、「誰が、何をするのか (=実施主体と責務 / じっししゅたい と せきむ) 」を考えることがポイントです。
このような重要なポイントは、くわしく正しく覚えることが大切です。
例えば、市町村は「障害者 虐待 防止センター」をつくることが、「障害者 虐待 防止法」で決められています。「センターをつくる」とだけ覚えていると、「地域 活動 支援センター(ちいき かつどう しえんセンター)/ 地域 包括 支援センター(ちいき ほうかつ しえんセンター)」などと問題で出されたときに、わからなくなってしまいます。似た名前の施設もあるので、名前はフルネームで覚えましょう。
「高齢者 虐待 防止法」では、「虐待を見たら、通報 (つうほう) しなければならない」と決められていますが、「虐待」とは何でしょうか。
暴力だけでは、ありません。「高齢者の財産を本人の同意なく、処分や利用することや、本人の希望する金銭の利用を理由なく制限すること (年金を取り上げてしまうようなこと)」も「経済的虐待」になります。
「高齢者」とは何でしょうか。
法律の第2条で「65歳以上の者」と、具体的に決められています。
ただし、65歳未満であっても、「養介護施設に入所、利用し、又は養介護事業に係るサービスの提供を受ける障害者については、高齢者とみなして、養介護施設従事者等による高齢者虐待に関する規定を適用する」と、同じく法律の第2条で決められています。
法律は難しい言葉が多くて、全部を読むことはたいへんですが、「総則 (そうそく)」 (法律の最初の部分) の内容は、頭に入れておきましょう。
第1条には必ず、法律がつくられた「目的」が書かれています。
第2条には「定義 (ていぎ)」が書かれています。その法律で使われる言葉の、意味が書かれています。
「虐待の5種類」についても、ここに書かれています。
「高齢者とは、65歳以上」のように、数字が出ていたら暗記しましょう。
法律の第3条から後の内容は、「誰が」「何を」「誰に」するのか整理して覚えましょう。
虐待を発見しても、高齢者の命に危険がない場合は、「通報するように努めなくてはならない (=努力義務)」 と決められていて、義務ではありません。
ただし、介護士など施設で働いている人が、自分の施設の中で虐待を発見した場合は、命の危険がなくても、通報の義務があります。
そして「通報」は警察ではなく、「市町村」にします。
このように、人や場合によって、内容が変わってくるので、誰が何をしなければならないのか、注意しながら考えましょう。
| 高齢者虐待防止法 | 障害者虐待防止法 | |
| 目 的 | 「高齢者の尊厳 (そんげん)の保持 (ほじ)」が目的。そのために、 ① 養護者 (高齢者の世話をしている人) 及び介護施設の従事者 (じゅうじしゃ= 施設で働く人)による虐待を防止する。 ② 養護者に対する支援をする ( = 養護者の負担を減らす) |
「障害者の尊厳 (そんげん)の保持 (ほじ)」が目的。そのために、 ① 養護者 (高齢者の世話をしている人) 及び介護施設の従事者、使用者 (障害者を雇っている人) による虐待を防止する。 ② 養護者に対する支援をする ( = 養護者の負担を減らす) |
| 定義 (ていぎ) | 虐待の種別は5つ。 ① 身体的虐待 ② 介護・世話の放棄・放任 (ネグレクト) ③ 心理的虐待 ④ 性的虐待 ⑤ 経済的虐待「緊急やむを得ない場合」を除いて、 身体拘束 (しんたいこうそく) は虐待に該当する。 |
虐待の種別は、高齢者虐待防止法と同じ。 |
| 虐待を発見した者の責務 (せきむ) | 家庭や養介護施設で、高齢者に重大な危険が生じている虐待を発見した場合、通報 (つうほう) しなければならない。 養介護施設従事者が、自分が働く施設で虐待を発見した場合は、程度にかかわらず (=必ず)、通報しなければならない。 通報先は市町村 |
虐待を発見した場合は、程度にかかわらず、通報しなければならない。 家庭や養介護施設での虐待を発見した場合、通報先は市町村。使用者による虐待を発見した場合の通報先は「市町村又は都道府県」 |
| 市町村の責務 | 通報や相談・届出の事実確認・訪問調査を行うとともに、 その後の対応に結びつける窓口を設置する。 | 障害者虐待に関する通報・相談の窓口となる「市町村障害者虐待防止センター」を設置する。 |
| 都道府県の責務 | 毎年度、虐待の状況を公表 (こうひょう)する。 |
(参考 : 過去に出された、法律についての問題)
| 試験の年 | 問 題 | 正しい答え |
| 第31回 (2019年) | 2016年(平成28年)の「障害者総合支援法」の改正内容として,適切なものを1つ選びなさい。 | 一人暮らしを希望する障害者に対して,地域生活を支援する自立生活援助が創設された。 |
| 第30回 (2018年) | 「障害者差別解消法」に基づく対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。 | 知的障害のある人が市役所の会議に出席した時に、本人の申出に応じて、わかりやすい言葉で書いた資料を、主催者が用意した。 |
| 「障害者総合支援法」における補装具として、正しいものを1つ選びなさい。 | 車いす | |
| 第29回 (2017年) | 「障害者差別解消法」に関する次の記述のうち,適切なものを1 つ選びなさい。 | 行政機関等と事業者に対して,不当な差別的取扱いを禁止している。 |
| 「障害者総合支援法」の規定により,地方公共団体が設置する協議会の機能として,最も適切なものを1 つ選びなさい。 | 障害者等への支援体制に関する課題についての情報共有 | |
| 「生活困窮者自立支援法」に関する次の記述のうち,適切なものを1 つ選びなさい。 | 生活困窮者に対する自立支援策を強化して,その自立促進を図ることを目的としている。 | |
| 第28回 (2016年) | 「障害者基本法」に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。 | 政府は,「障害者基本計画」を策定しなければならない。 |
| 生活保護制度に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。 | 生活保護で保障される最低限度の生活は,健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなくてはならない。 | |
| 「労働安全衛生法」に定められている内容に関する次の記述のうち,正しいものを1 つ選びなさい。 | 労働災害の防止に関する措置への労働者の協力 | |
| 第27回 (2015年) | 「障害者差別解消法」に関する次の記述のうち,適切なものを1 つ選びなさい。 | 行政機関に対して,障害者に対する合理的配慮を法的義務としている。 |
| 「障害者総合支援法」に関する次の記述のうち,適切なものを1 つ選びなさい。 | 障害支援区分の審査および判定を行う場合,市町村審査会は,その対象となる障害者の家族に意見を聴くことができる。 | |
| 第26回 (2014年) | 「障害者総合支援法」に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。 | 対象となる障害者の範囲に、難病患者等が加えられた。 |
| 「障害者虐待防止法」に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。 | 医療機関の管理者は、医療機関を利用する障害者に対する虐待を防止するために必要な措置を講ずることとされている。 |