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美人大国は、地味な犯罪都市でもあった。ウクライナでスリ集団との攻防戦

「ホテル ドニーブロ」を出て、キエフの街を歩きます。

まずは、ウクライナの最高学府「国立キエフ大学」へ。

 

日本の最高学府・東京大学は赤門で有名ですが、キエフ大学は学舎全体が真っ赤です。
かつてロシア皇帝ニコライ1世が、徴兵拒否運動を起こした学生への罰として、建物を血の色で塗るように命令した名残だそうです。

冬の薄暗い日にでも訪れたら、不気味でしょうね。

 

付近の路上で、ガイドブックに載っていた「財布拾い」に出くわしました。

 

私の前を歩いている男がポトリと財布を落とし、それに気付かないフリをして、歩いて行ってしまいます。

おや、と思って立ち止まる私の後ろから、別の男が電光石火のごとく現れ、財布を拾ってニヤリと笑い、シーッという仕草をしながら「山分けしようぜ」とばかり、手招きするのです。

 

あまりにガイドブック通りだったので、ついつい吹き出しながら、無視して通り過ぎました。

 

後ろから来た男に言われるままついていき、路地裏で財布を開いていると、財布の落とし主あるいはニセ警官が現れ、犯罪者扱いされて金を巻き上げられる、という寸法らしいです。

 

犯罪の手口にも流行やお国柄があるんだね、などと上さんと笑いあったのですが、この後、混み合ったトラムの中で、上さんがズボンのポケットに入れていた札束を、すられてしまう事件が発生。

 

トラムを降りて歩き出してから、現金をすられたことに気付いた上さん、顔面蒼白になるかと思いきや、ニヤニヤ笑い出すではありませんか。

 

事情を聞くと、昨日まで滞在していたベラルーシ通貨の使い残しが、たまたまポケットに入れっぱなしだったとのこと。

 

ベラルーシはインフレ率が非常に高く、2011年には通貨切り下げが2度行われています。

したがって、200,000ルーブルという高額紙幣の一方で、50ルーブルという小額紙幣も存在し、こちらは日本円で50銭ほどの価値です。

 

上さんがポケットに入れていたのは、この少額紙幣で、被害総額は100円程度。

札束を広げて地団駄を踏んでいるスリの姿が目に浮かぶようですが、ヨーロッパの最貧国とも呼ばれるウクライナ、殺人や傷害などの重犯罪は少ないものの、スキミング大国とも言われ、スリは非常に多いようです。

 


キエフの地下鉄。シェルターとして使えるよう、深い位置に造られています。

 

1986年4月26日1時23分 (日本時間6時23分)、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国のチェルノブイリ原子力発電所で、所内用電源を確保する実験中に爆発事故が起きました。

史上最悪の原子力事故から6年後、「国立チェルノブイリ博物館」が、ドニエブル川沿岸地区に開設されたとのことで、訪れてみることに。

 

地下鉄の駅を降りて、道行く人に博物館の場所を尋ねるのですが、皆さん正確な位置を知らないようです。

あまり興味がないのでしょうか?


やっと探し当てた博物館。来館記念ノートに署名してきました。

 


1882年完成の比較的新しい教会「ウラジーミル聖堂」。

外観はどちらかというと地味なビザンチン建築ですが、一歩中に入ると豪華絢爛なアールヌーヴォーのフレスコ画に目を奪われます。

特に、ロシア人画家ヴィクトル・ヴァスネツォフの手になる「聖母マリアと幼子キリスト」は、薄暗い聖堂の中にあって荘厳な雰囲気を作り出しています。

入場無料ですが、撮影料が50グリブナかかります。

 

美女大国としても知られるウクライナ。街角は美人さんだらけです。

もともと美人系のスラブ人が、ヨーロッパ民族やモンゴル人などのアジア民族と混血したことで、驚くほど美しいウクライナ人が生まれたと言われます。

 

「アンドレイ坂」を見下ろす丘の上に建つ、優雅なロシア・バロック建築が「アンドレイ教会」。ロシア女帝・エリザヴェータがキエフを訪れたことを記念して、1749年に建設が開始されました。

 

周囲はキエフの古い街並みがよく残った賑やかな通りです。土産店が軒を連ね、観光客が集まることから「キエフのモンマントル地区」と呼ばれることも。

ヴィンテージ雑貨店では、旧ソ連時代の手作りアクセサリーなど、掘り出しものが揃います。

 

教会から、結婚式を挙げたばかりのカップルが出てきました。

 

歩道に店を開く露天商


ボルシチはウクライナが発祥の地。ヴァレニキ(ロシアでいうところのペリメニ)と一緒に召し上がれ。


町の中心、独立広場の夜景

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