映画 ザ・ドライバー

犯罪者を車に乗せて逃亡させる逃走専門のドライバーと、それを追う刑事 (ザ・デティクティブ)、そしてそこに絡む謎の美女 (ザ・プレイヤー)、それぞれの思惑が、夜のロサンゼルスを舞台に交差する。

 

映画のヘソは、カーチェイス。

逆ハン横滑りは朝飯前、タイヤはぎゅんぎゅん鳴りっぱなしの対向車線突っ走り、正面衝突覚悟の突撃で、相手車両を横転させる。

ポパイ・ブリッド・ハリーファンは必見。

 

ロスアンゼルスの夜景きらめくハイウェイから、荒れた横丁へ、パトカーのサイレンが遠のき、戻る夜の静寂。静と動の転換も秀逸。

スタイリッシュな映像は、どこを切っても雑誌の表紙になりそうなくらい、キメられたカット。

ハードボイルドタッチの、辛口の一本。バーボンをショットグラスで煽りながら、観たい。

 

 

注目したいのは、「ザ・プレイヤー」に扮するイザベル・アジャーニ。

ホラーやパニック映画で、悲鳴を上げる演技ばかりの米女優を問題にせぬ大人っぽさは、監督のウォルター・ヒルが、フランスから呼び寄せただけのことはある。

 

この映画を観て以降、いつもはまたいで通る「ブロンデ姉妹」などという文芸物でも、彼女見たさに、ニコニコとビデオをレンタルするようになってしまった。

 

彼女は1981年、「ポゼッション (Possession )」での体当たり演技が評価され、カンヌ国際映画祭女優賞を受賞。

ヨーロッパ系の女優さんには、「えっ、こんな美人が」と、頭がでんぐり返るような役を平気でこなし、素晴らしい作品をサッと残していくという、才能豊かな人が少なくない。

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