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自然素材の家づくり。断熱材にセルロースファイバー、塗料にチャフウォール

自然素材の家づくり。断熱材にセルロースファイバー、塗料にチャフウォール

「ワイン会」で知り合った建設会社の小林社長から、断熱材の話を伺う機会を得ました。

壁ができてしまったらもう二度と施工状態を見ることもできない断熱材だけに、納得いく断熱材選びをしたいものです。

断熱材といえばグラスウールが一般的ですが、小林社長は「日本の住宅の平均寿命はわずか25年です。新建材住宅だけでなく、木造住宅でさえ短い。本来、木材の耐久性は高いはずなのに寿命が短いのは、湿気対策をきちんとしていないから。化学製品を使うように仕組まれた、石油業界に牛耳られている日本の住宅業界の実態が根底にはあります」と持論を展開。

「ガラスと接着剤で作られたグラスウールは、いったん湿気を吸うと吐き出すことができません。さらに仕上げ材にビニールクロスを使っていれば、湿気はどんどん壁の内部にたまり、見えないところでカビだらけになっています」と語る小林社長が勧める断熱材が「セルロースファイバー」
これは新聞紙とホウ酸から作られ、優れた吸放湿性能を持っているため、乾燥時には湿気を吐き出すそうです。呼吸する素材なのですね。

「綿状の繊維を現場で吹き込んで施工するので、細かい部分まで充填することができ、気密性能が非常に高くなります。さらに、飛びぬけた吸音・遮音性能を持っています」とのこと。

「室内の空気温を高くしても、壁からの輻射熱が低いと、居心地の悪い部屋になってしまいます」との言葉に、ストーブとファンヒーターの感覚的な違いはこれだったのか、と胸のつかえが下りた気分でした。

120mmと240mmの厚さで比較した実験結果では、室温は0.3度しか違わず、「厚みは120mmで十分でしょう」

気になるお値段は「3,000円/㎡~」ということで、やはり高めです。

 

一方、室内の「塗装材」として、社長おすすめが「チャフウォール」

ホタテ貝殻粉末と酢酸セルロースから作られたこの水性塗装材は、消臭・吸放湿・抗菌機能を持ち、併せてVOC(揮発性有機化合物)を吸着・分解する作用で「空気を浄化する壁」を作ることができ、すでに貼ってあるクロスの上からでも塗れるそうです。

施工の際は、湿度60%以上・気温5度以下の場所では除湿・採暖の必要があります。(どの塗装材にも言えることでしょうが)

 

以下はネットで検索した体験談です。

「チャフウォールは1袋10kg、定価35,000円で、50~70平米塗れます。1袋で6帖一間で余るくらいです。

自分で塗りましたが、日曜大工の感覚でビニールクロスの上から簡単に塗れます。

1週間ぐらい乾くまで、少し酸っぱい臭いがしましたが、その後は臭いはありません。消臭効果は体験でき、生活臭は全くしません。タバコの臭いも朝起きるとしません」

 

「チャフウォールはGパンなどで少しこすれただけで、すぐ色うつりします。消しゴムである程度は消せますが。

また、出隅に施工した部分は、物が当たると簡単に欠けます。

でも上塗りも簡単で、その際に色の違いがわからないのは白だと、営業マンから勧められました。汚し屋がいるので、白に抵抗がありましたが、素直に従って正解でした」

…とのこと。

 

社長からは、「ホウ酸は人体では腎臓で分解されるが、シロアリには腎臓が無いので、駆除剤となる」「地盤強化にはソイルセメントで柱状改良するが、原状回復する必要があるときは厄介」などの知識も頂きました。

 

 

グラスウール・セルロースファイバー以外の断熱材・特徴については以下のとおり。

① 押出法ポリスチレンフォーム  (商品名:カネライトフォーム、スタイロフォーム)

発泡プラスチック系の断熱材で、見た目は発砲スチロール。

最高等級となる第3種の「熱伝導率」は0.028で、かなり高性能です。経年変化(時間の経過と共に劣化する性能)も少なく、優れた断熱材ですが、施工場所と工法によっては気密性に難ありです。

壁面に使用する場合、柱の外側に施工する外断熱工法なら隙間なく施工できるので効果を発揮しますが、柱の間に施工する充填断熱工法で、現場でカットしているようでは気密性はまったく期待できません。

床下に使用する場合、工場でカットしてくることが前提ですが、湿気に強いので大変適している断熱材と言えます。ただ、シロアリに弱いという欠点がありますので、シロアリ対策を平行して行う必要はあります。

天井への使用ですが、熱に弱いという欠点があるため、炎天下の屋根裏の暑さで変形するリスクがあります。

 

② 現場発泡式ウレタンフォーム (商品名:アクアフォーㇺ、フォームライトSL、アイシネン)

ポリウレタン樹脂を発泡させたスポンジ状の断熱材です。泡の中には熱を伝えにくい空気が閉じ込められているため、優れた断熱性が得られます。

現場で発泡させて施工するので隙間なく施工でき気密性が高い反面、厚みなどの仕上がり具合は職人さんの腕次第、という一面もあります。

 

 

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