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Adverbs of Quantity 「数量形容詞」を使って街の課題を表現する

バンクーバーに来て1週間が経ちましたが、バスや電車など、公共交通網の充実ぶりには、目を見張ります。

街の様子を表現するには、本日の授業で学んだ「数量形容詞」が便利です。

 

 

数量形容詞を使って

 

上記語群は、可算・不加算の違いはありますが、「名詞」を修飾する働きなので、形容詞です。

  • Does this street have less traffic at night?
    Yes, there are fewer cars at night.「少ない交通を持っている」という言い方。否定文でもなく、英語独特の表現ですね。

 

「数量を表す形容詞 + 名詞」の一群の名詞句を、「there is / are~構文」に組み込んで、現状の問題や課題を表現する文章を作ることができます。

そして、課題表現に使った名詞句と「相反する数量を表す形容詞を、比較級にした」うえで、「there should be~、we need~構文」に組み込むことで、課題解決に向けた提案を表現できます。

  • There aren’t enough parking space. ⇒ There should be more parking space.
  • There are too many cars / traffic jams. ⇒ We need fewer cars / traffic jams.

テンプレートは…

There isn’t / aren’t enough +名詞 ⇒ There should be more +名詞

There are too many +名詞 ⇒ There should be fewer + 名詞

There is too much +名詞 ⇒ There should be less + 名詞

 

授業の終了時、生徒たちは口をそろえて “We need less homework.”

We need fewer taxes and more jobs.など、スローガンにも利用しやすい表現でした。

 

be動詞は何を使うべきか

many, muchはどちらとも「たくさんの、多くの」という意味を持ちますが、”many”は数えられる名詞(可算名詞)の複数形につくのに対し、”much”は程度を表し数えられない名詞(不可算名詞)につきます。

  • How many dollars have you got? / ドル持っていますか?
  • How much money have you got? / どれくらいのお金を持っていますか?

 

つまり、many は物がいくつもある、という複数のイメージです。したがって、be動詞は are (were) を使います。

一方、much は塊が1個ある、という単数のイメージなので、be 動詞は is (was) を使います。

  • Is there much milk in the fridge?

 

a lot of, some, any, は可算名詞・不加算名詞の両方に使われます。

加算名詞につく場合、たいていは名詞が複数形をとり、be動詞は are, were を使います。

不加算名詞につく場合は is, was となります。

  • There is a lot of meat left. / 肉がたくさん残っている ( left後ろから名詞を修飾する)
  • There are a lot of cats in the street.

 

some の語源は same であり、同じものが一つ以上あるイメージで、ゼロの可能性はありません。対する any の語源は an であり、あるかどうかが焦点で、ゼロの可能性も秘めています。

ですから、何か勧めるときは「あること前提」なので、Would you like something? と疑問文ですが some を使います。

Do you have some friends? と訊かれたら、友達がいる前提で何かしら話を始める意図を汲み取れますが、Do you have any friends? だと「友達いないだろ」という心がかなり含まれているので、失礼な話になってしまいます。

  • Do you need some help?(お手伝いしましょうか?)/ 助けが必要との前提のうえで「何らかの助け」は必要ですか?という問いかけ。
  • Do you need any help? (お手伝いしましょうか?)/ 助けが必要かどうか不明だが「何か助け」は必要ですか?という問いかけ。

上記のように、「some は肯定文、any は否定文」というルールはありません。適切な表現の結果としてsome は肯定文と、anyは否定文と相性が良い場合が多いということです。

 

some のイメージは「ボンヤリ何かがある」です。「ある」ですから、ゼロではないです。しかし複数とは限りません。単数形の可算名詞につくこともあります。

  • She married some guy from England. / 彼女、イギリスから来た誰かとくっついたらしいぜ。

a guy と言うところを、あえて some を使ったところに「ボンヤリした誰かだよ」という話し手の意図が感じられます。つまり興味がない、「ケッ」という気持ちです。

とはいえ、決まらない単数のものを話に持ち込むとき、ネイティブは自動的に a を使います。意図するところがなければ、わざわざ some を使うことはありません。だから some の標準は複数なのです。

 

any のイメージは「どれでもいいよ」です。選択の範囲があるのですから、any が可算名詞につく場合、名詞は複数形にするのが通常です。

その選択肢にゼロも含まれているということです。

  • Do you have questions ? / 質問はありますか?
  • Do you have any questions ? / 質問はありますか? 何でもいいよ。

 

 

ところが any を単数名詞の前で使うことがあり、この場合「どんな~でも」という意味になります。

  • Any student likes playing. / どんな生徒でも遊ぶのが好き。
  • You can discuss any topic in the class. / 授業中にどんなトピックについて議論しても良い。

なお、話す時は any の発音が強くなります。

この any はevery,  all に置き換え可能ですが、ニュアンスの違いがあります。

 

anyは全体をイメージせずに、物体を1つずつ着目する表現です。したがって単数形で表現します。

  • Any apple was cultivated by Pit.  / どのリンゴもピットによって栽培された。(リンゴを1個選んでみたら栽培者はピット、別の1個を選んでみたらこれも栽培者はピット、結果的にどのリンゴを選んでも栽培者はピット、というイメージ)

 

everyは全体をイメージしながら、個々の物体に着目する表現なので、any と同じく単数形で表現します。

  • Every apple was cultivated by Pit.  / すべてのリンゴはピットによって栽培された。( すべてのリンゴを把握した上で並び順に、栽培者ピット、栽培者ピット、と見て行き、結果的に全部ピット、となるイメージ)

 

all は個々の物体には着目せず、全体としてとらえるので複数形で表現します。

  • All apples were cultivated by Pit.  / すべてのリンゴはピットによって栽培された。(このリンゴたち全部、栽培者ピット、のイメージ )

 

ほぼ全ての限定詞 (the, a, every などは例外) は代名詞として使うことができる。その代名詞の呼び方を不定代名詞と呼ぶ。

ややこしい more, most

many, few は可算名詞を、much , little は不加算名詞を修飾します。

many, much の比較級はともに more 、最上級はともに most です。

  • Chinese buy more (many の比較級) cars than Americans. 中国人はアメリカ人よりも、より多くの車を買います。
  • Icelanders read the most (many の最上級) books in the world per capita. アイスランド人が一人当たり世界で一番沢山の本を読みます
  • Bulgarians drink more (much の比較級) beer than English men. ブルガリア人はイギリス人よりも、より多くのビールを飲みます。
  • Finnish drink the most (much の最上級) coffee in the world per capita. フィンランド人が一人当たり世界で一番沢山のコーヒーを飲みます。

上記の more, most は形容詞として、それ自体が原級から比較級・最上級に変化し、名詞を修飾しています。

混乱してはならないのは、2音節以上の形容詞・副詞の前にくっついて比較級・最上級をつくる more, most は副詞ということです。

この場合、more, most を「もっと」「もっとも」と訳すよりは、「形容詞・副詞を比較級・最上級に変化させる記号」と捉えた方がいいかもしれません。

 

much more はヘン?

more の使い方で疑問なのは、ついつい私は口ぐせで言ってしまうのですが、”much more” という表現です。

「much の比較級である more に、改めて much をつけるのはおかしいのではないか」

そんな違和感が常に付きまとっていました。

少し整理してみましょう…。

 

many / much はともに形容詞の働きをします。さらに名詞の働きもします。

  • Do you have many to finish? 仕上げねばならないことがたくさんありますか?
  • Many are called, but few are chosen. 招かれる人は多いが、選ばれる人は少ない(聖書)
  • Do you know much about linguistics? 言語学に詳しいですか?
  • Much of the town had to be rebuild after the war. 街の大部分は戦後再建しなければならなかった。

さらに、much は副詞としての働きもします。つまり動詞や副詞・形容詞を修飾することができます。

そして原級の副詞・形容詞のならず、比較級に変化した副詞・形容詞も修飾することができます。

many に副詞の用法はありません。

 

次の例文の more は副詞 much  の比較級です。

  • You need to sleep more.

副詞 much を使い、副詞 more をさらに強調することができます。

  • You need to sleep much more.

「形容詞・副詞を比較級・最上級に変化させる記号」more も副詞ですので、much で修飾することができます。

  • This picture is much more beautiful than mine.

比較級との関係というよりも、 much の用法が広いということですね。

 

日本語の「もっと、たくさんの」という感覚で、much more と2単語を続けてしまうのかもしれません。

しかし、many を比較級に変化させたのが more なのですから、more 一語に「もっと」というニュアンスが含まれているわけで、 よほど強調したい場面以外では、比較級だけで十分のような気がします。

  • Shinkansen is much faster than bus, but much more expensive. 新幹線の方が断然早いけど、大幅に高いね。

 

比較の程度を強める働きですから、唯一無二を表す最上級には使えないということでしょう。

 

映画 「The dark knight」 のアルフレッドとブルースの会話から…
A : Will you be wanting the Batpod, sir?

B : In the middle of the day?

A : Not very subtle.

B : The Lamborghini, then.

A : Much more subtle.

 

very much の品詞は

英語の勉強を始めると、I like baseball very much. / Thank you very much. というような表現にまず出会います。

very much は熟語として習いますが、品詞としてはどのような働きをしているのでしょうか。

「very」と「much」は、どちらも「非常に」や「とてもという意味です。
veryは副詞で「とても」の意味で、形容詞や副詞を修飾します。但し、副詞なのに動詞を修飾できないという特徴があります。

「much」はおもに動詞を修飾しますが、上で述べたように、比較級や最上級も修飾するなど、幅広い用法があります。

 

この点からveryは動詞であるthankを修飾できないので”Thank you very.”とはできません。

ではmuchを使うしかないので”Thank you much.”でどうでしょうか?

ところが、これも駄目なんですね。なぜか?

もう一つルールがあるのです。これです。

muchは副詞として「とても」の意味で動詞を修飾することができる。但し、muchを単独で使えるのは疑問文と否定文において。

肯定文では”very much”の形で用いる必要があるということなんですね。

 

※ 授業のタイトルは「形容詞」ではなく 「副詞」=adverbs of quantity だったのですが、there is~の be 動詞を修飾している、という考えなんでしょうか?

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