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ハンバーグをめぐる、僕の肉汁日記

2016年2月14日の日記。そこに記されたハンバーグのレシピ。

【作り方】160g ハンバーグ 8個分

 

  1. あめ色になるまで炒めてから良く冷やしたタマネギ 140g、パン粉 90g、卵 1個 を混ぜ合わせて冷やしておく。
  2. 牛挽き肉 1kg に塩コショーして、細かくみじん切りしたニンニク1片を混ぜ、力いっぱい握るように肉を混ぜる。肉が粘って抵抗が出て、指がくたくたに疲れるまで練る。
  3. 1を肉に加えて混ぜ合わせる。
  4. 160gずつ、両手でキャッチボールするようにして、成形する。表面を滑らかにすると、焼いたとき割れにくい。

 

【焼き方】

  1. スキレットに油をひき、ハンバーグをなるべく平たくして、中央にくぼみをつける。
  2. くぼみを下にしてスキレットに入れ、強めの火加減で焼き色をつけたら、料理酒をスキレットに回し入れ、すぐにふたをして蒸し焼きにし、3分間弱火で火を通す。
  3. トマトソース大さじ1をハンバーグ上面に投入、さらにソースをハンバーグ上面を覆うくらいかけ回し、ターナーでひっくり返す。キノコ・人参などの野菜をスキレットとのすき間に配置する。3分間弱火で火を通す。
  4. 火を止め、シュレッドチーズをふりかけ、ふたをして3分間、余熱で仕上げる。

 

ハンバーグを作るようになったきっかけは…

2015年9月13日に開いた「ハワイアン・イベント」

イベントの最中、「ハワイの定番料理・ロコモコ丼を、世界食堂のメニューにしたらどう?」という話題になりました。

 

「ここはひとつ、美味いハンバーグというものを追求してみるか」

こうして僕の、ハンバーグをめぐる探検が始まったのです。

 

2015年9月16日

挽肉1kgをこねて、170gのパテが7個できた。

片面5分づつ焼いて再び計量したところ、なんと140gに2割も縮んでいるではないか。

ダイエットなら大成功だが、ハンバーグにとっての減量は、肉汁が旨みと一緒に流れ出していることを意味する。

いかに焼いたら、肉汁を閉じ込めたままにできるのか。ハンバーグ求道者の前に立ちふさがる、大きな壁。

表面が焦げ気味だったので、焼く時間をもっと短くしても良いかな、そうすれば肉汁が流れ出す時間も短縮できそう。

しかし、中心部はギリギリ火が通っている状態なので、これ以上の焼き時間短縮は「中は生」となってしまう可能性が高い。

ならば、パテをもっと薄くしてみよう。そうすれば、中まで火が通りやすいはずだ。

 

2015年9月28日

パテを薄く成型しても、焼くと気球のように丸々と膨らんでいく。

ハンバーグが怒ってプンプンしてるかのようだ。私の焼き方に何か不満があるのだろうか。

 

だがどうやら、中心が膨らむ理由はハンバーグが怒っているわけではなく、外側の肉が縮むためらしい。

中心が膨らまないように、さらに薄く成型すると、今度は焼くときにパテの端が割れてしまう。

難しい。

ネット検索の結果、朗報を得る。

「縁を厚く、中央部を薄く成型すると、焼いたときの収縮を中央の窪みが受け止め、ひび割れせず不格好にならない。強火で肉汁を閉じ込めたあと、弱火でじっくり焼くことで、へこみの効果を最大限に引き出すことができる」

 

2015年9月29日

焼肉やステーキなどと同様、ハンバーグにも下味がしっかりと付いていないと、ソースをかけても味が馴染まない。

塩コショーはちょっときつめかな、と思うくらい振っても良さそうだ。

とはいえ、焼いたハンバーグの上にチーズをトッピングするなら、チーズの塩分も考慮しないと、塩分が強すぎてしまう。

 

2015年10月1日

ケチャップとソース・マヨネーズ・赤ワインに浸して、「煮込み」風に焼いてみれば、流れ出した肉汁はそのままソースになるし、焼き時間も短縮できるのではないか、そう思い試してみる。

片面5分では中は生。

4分ずつ両面ではギリギリ火が通った感じ。

5分ずつ両面で充分火が通る。

煮込みでも完全に火が通るまでは、意外と時間がかかる。

 

2015年10月9日

ネットで「榎本ハンバーグ研究所」による興味深い記事を発見。

「ハンバーグは肉汁を逃さないのがポイント」との理念のもと、そのためのコツを紹介している。

材料

パン粉は肉の10%が標準。パン粉・卵など、つなぎの量が多いと柔らかくふんわり、肉が多いと引き締まって弾力のある仕上がになる。

生タマネギ、特に新玉は水分を絞る。

タマネギは30%の量になるまで炒める。

炒めたタマネギは冷やしてから肉と混ぜる。熱いうちに混ぜるなど言語道断。肉の脂が溶けてドロドロになってしまう。

成形

まず挽肉と塩だけで、粘り気が出るまでよくこねる。塩が「ミオシン」を溶かし、保水性を向上することで、割れにくいハンバーグになる。

焼き方

小麦粉をまぶしてコーティングする。中火で、ハンバーグのへこませた面から焼く。表面に焼き色をつけてから、弱火で火を通す。

 

非常に参考になる。

「パン粉10%」の量というと、「えっ、こんなに」と思うくらい多く感じるけれど、たしかに焼き上がりはふっくら。

パン粉が肉汁を吸収するので流出を防ぎ、ジューシーに仕上がる効果もあるので、必需品となるパン粉だが、手元にない場合は、細かく砕いた麩や、しめじのみじん切りでも代用できるらしい。

大町市仁科町「ビストロカフェ ミルフィーユ」のハンバーグ。ふっくら丸い焼き上がりだが、肉感は少ない。

 

パン粉を控えめにすると、ずっしり力強い「肉感」か味わえるというが、ともすればパサパサした感じになってしまう。

肉本来の旨みを味わうならステーキでいいじゃない、ということか。肉料理から派生したハンバーグだけれど、独自のカテゴリーを形成しつつあるようだ。

 

そもそもハンバーグの起源は、ドイツの港町ハンブルクで労働者に人気のあったタルタルステーキ。

ヨーロッパまで攻め込んでいたモンゴロイド系の騎馬民族・タルタル人(tartars)が食べていた生肉料理が原型といわれる。

タルタル人は遠征の際、連れて行った馬を食料にもしたが、しかしこの肉は、大変硬く筋張っていたため、生肉を細かく切り、玉ネギ、コショウ等香辛料で味付けして食べていたそうだ。

18~20世紀前半、多くのドイツ人がハンブル港から船出してアメリカに移住。彼らがよく食べているひき肉料理を、アメリカ人が「ハンブルク風ステーキ(ハンバーグステーキ)」と呼ぶようになった。

長野市松代「コノハナサクヤ」の信州牛ハンバーグ

 

2015年10月15日

120g のハンバーグが5個入りで540円の冷凍商品を、業務スーパーで購入。

「旨い。やられた。ふっくらしている」が第一印象。

しかし、かみ締めると味は「つくね」で牛の味がしない。

おそらく牛肉の量は少なく、牛脂やビーフエキスで補っているのだろう。

調味料として、砂糖、しょうゆ、デキストリンが使用されている。

 

ハンバーグは肉の内容で大きく味が変わる。

「合挽肉の黄金比」と言われるのが、牛7 : 豚3の比率。

牛肉は旨みが強いが、入れすぎると焼き上がりが固くなりがち。

そこで、甘みや柔らかさがある豚肉を3割入れることで、より食感もよく、牛肉の旨みが引き立てられたハンバーグになる。

市販の合い挽肉は牛6 : 豚4で売られていることが多く、この割合で作ると食感が柔らかく仕上がり、コストも抑えられるのが特徴。

これ以上豚肉を多くすると、牛の旨みがなくなってしまう。

また、牛脂やマヨネーズなどの脂質を挽肉の7%ほど加えるだけで、安い合い挽肉を美味しく調理することが出来るといわれる。

 

2016年1月28日

挽肉1kg に対して1.5 個使っていたタマネギを2個にして、155g のタネが10個出来た。

薄力粉を振ったせいか、短時間で焼き上げたせいか、鉄ではなくテフロンのフライパンを使用したせいか、理由は定かでないが、肉汁が流れ出ない。

焼き上げてから冷凍しても150g を保っている。

 

2016年2月6日

薄力粉と間違えて、強力粉をまぶして焼いてしまった。そのせいだけではなかろうが、肉汁がずいぶんと流れ出す。

粉以外の条件は1月28日と同じはずなのに、なぜこれほど差が出るのだろう。

 

2016年3月3日

ハンバーグのタネを捏ねたところで、常連のマリさんがご来店。

話が盛り上がり、2時間ほど経ってから焼き上げたところ、いまひとつジューシーさが感じられない。

捏ねから焼きまで時間が空いたから? と思ったのだが、そうではないらしい。

むしろ、成型してから30分以上冷蔵庫で冷やして、肉の脂を固めて形を落ち着かせてから焼くと、形が崩れず肉汁も流れ出ないらしい。

 

2016年3月23日

試行錯誤の末、材料の配分が固まってきた。(冒頭レシピ)

卵でやや水っぽいと思うくらいまでのばしても、仕上がりはふんわりとなる。

「つなぎ」としてハンバーグに入れる卵。

水分を保ちながら固まる、卵独特の熱凝固性という働きのため、食材全体がつながれ、肉汁を逃さずに焼き上げることができる。

 

2017年4月15日

イトーヨーカドーで販売していた「てりやき きのこハンバーグ」、 総量 130g 固形量1o0g で、お値段は1個77円。

どうしたら、このような安価なハンバーグを作ることが出来るのか、そのカラクリをネットで探ってみた。

とあるサイトによると、「冷凍ハンバーグに使われている肉の意味。端肉とは、牛骨から削り取る廃棄寸前の肉。鶏肉とは、卵を産まなくなった廃鶏の肉。組織状大豆たんぱくとは、人造肉」とのこと。

そして「冷凍ハンバーグの美味しさは、添加物の旨み」と一刀両断。

「背後には、『混ぜ屋』と呼ばれる食品添加物メーカーの暗躍」というオカルト情報まで。

 

その添加物、特に問題なのは「リン酸塩」

「リン酸塩」は水を抱えるため、いくらでも増量でき、ひき肉にリン酸塩と水を入れて練れば、ふっくら膨らんだハンバーグが出来るというわけ。

リン酸の摂り過ぎは「腸管でのカルシウム採取を阻害する結果、骨からカルシウムを溶解させ、副甲状腺機能亢進症や石灰沈着、骨代謝障害」を起こす。

カルシウムが不足することで「細胞に貯蔵されたカルシウムが異常に放出され、イライラなど神経過敏」を引き起こす。

さらに、「脳の働きに不可欠なミネラル、亜鉛を体外に排出してしまったり、鉄の吸収を妨げて貧血の原因」にもなる。

 

リン酸塩の増量効果は、いまや定番となったファミレスのドリンクバーにも及んでいるという。

リン酸塩を使うことで、豆から通常の3倍もコーヒーを抽出している。失われた風味はコーヒー香料で添加しているという、トリック。

原材料名表示に気をつけて購入したいところですが、厄介なことは、グルタミン酸ナトリウムやイノシン酸ナトリウムなどの化学調味料と一緒に使い、「アミノ酸等」と表示すれば、リン酸塩と記載しなくても済むこと。

いやはや、恐ろしい。

 

ハンバーグのアレンジレシピ

玉ねぎだけのハンバーグ

ショウガ・ニンニクひとかけずつをみじん切りにして炒め、香りが立ったら、みじん切りにした玉ねぎ1カップを加え、弱火でじっくり40分炒める。

食感を出すため、みじん切りにした玉ねぎ1/2カップをさらに加える。

薄力粉1/4カップを少しずつ加えて炒め合わせる。

 

おからとキノコのハンバーグ

カサ増しのために「おから」を使って、ボリューム感あるハンバーグを作ることはありますが、肉は使わず、代わりにキノコを利用したヘルシー食品です。

卵を使っているのでビーガン食にはなりませんが。

 

1. 水煮タケノコを細かなサイコロ切りにする。

2. エノキ1袋(約く200g) をみじん切りにする。

3. ネギ小1本をみじん切りにする。

4. 以上を、ゴマ味とチューブ生姜大さじ3 で炒める。

5. おから200g , 醤油大さじ2 , 溶き卵2 に炒めた具材を入れてよく混ぜる。

6. オニギリのように丸めて、側面以外に小麦粉をまぶす。

7. 表面は軽く焦げ、中はじっくりと火を通すように焼く。

 

60g (焼く前)の可愛いハンバーグが8個できます。

具材が丸く成形できるか心配でしたが、おからの水分と卵で、うまくまとまりました。

パウダー状のおからで作ったこともありますが、のどごしがよくありませんでした。

タケノコの食感がポイント。これがないとパサパサになります。


タケノコの代わりに山芋を練り込みました。

 

ハンバーグのタネを、そのまま冷凍保存

2週間程度の保存が可能。

タネのままの状態での冷凍は、焼いたハンバーグを冷凍するのに比べて短時間で冷凍できるのがメリット。

また、解凍後にハンバーグ以外のひき肉料理にアレンジすることもできるので、料理の幅を広げることにも役立ちます。

焼いたハンバーグを冷凍保存

1か月程度の保存が可能。タネのまま冷凍した場合に比べ、保存期間は倍になります。

冷凍したハンバーグを冷蔵庫に移して自然解凍、6時間程度と時間はかかりますが、肉の旨味と品質を保ちながら解凍できます。

解凍するときは、溶けた肉汁が流れ出して冷蔵庫内を汚さないよう、深めの容器に入れましょう。

電子レンジで加熱解凍する場合は、ラップや保存袋に包んだまま耐熱容器に乗せ、600wで1分30秒程度加熱します。

加熱しすぎると肉汁が逃げてパサついた食感になってしまいます

 

冷凍保存肉はひと手間かける調理で

冷凍ハンバーグはデミグラスソースで煮込みに。冷凍トンカツはかつ丼に。唐揚げはあんかけに。

以下は、ハンバーグを水で煮込む方法

  • 火をつける前に、フライパンに凍ったままのハンバーグと水(約60cc)を入れます。
    ※水はハンバーグ1個につき約60cc、2個の場合は約120ccです
  • 弱火にしてアルミホイルなどでフタをします。
  • 6〜7分加熱し、水気が少なくなったら裏返してもう一度フタをし、4〜5分加熱。
  • 竹串等で刺し、透明な肉汁が出たら出来上がり。
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