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170904 メトロポリターノでリマを駆け足観光。これだけは覚えておくべきスペイン語

2017年9月4日(月)

昨夜22時10分にダラスを出発したボーイング757、私の席は窓際の34A。隣の乗客は人が善さそうなアメリカ人らしき青年で、私は勝手にチャーリー君と名付けたのだが、トイレに行きたくなった時など、快く席を立ってくれそうだ。

はるばる南米まで行ってマチュピチュを訪れないのは、福神漬けのないカレーライスみたいなもので間が抜けたものだから、とりあえずはリマまでの航空券を予約したのだが、9月12日までにサンパウロに到着して友人に会うという予定以外、旅行計画は白紙のままバタバタと出発してきてしまった。自分がグータラだとは知っていたが、ここまでグータラだとは思わなかった。

ガイドブックを開くと、マチュピチュは一日の入場者数が制限されていることが判明した。不安がじわじわと広がってくるが、深夜に向かう時間帯、ついウトウトしてしまう。
ふと目覚めると隣のチャーリー君が本を読んでいたので、「マチュピチュへ行くのですか?だとしたら、リマからクスコまでは飛行機ですか?」と探りを入れると、「バスを利用」との嬉しい答えが返ってくるではないか。

「どこで、どうやってバスのチケットは買うのですか?」と、身を乗り出して問い詰めるが、チケットは既に手配してあり、空港で受け取る手はずとのこと。もちろん、マチュピチュの入場券も予約済みらしい。
「予約なしでマチュピチュに行くのですか」というような表情をチャーリー君が浮かべたように見えたので、落胆の色を隠しながら素早く視線をそらせつつ、「マチュピチュまで行ったはいいが、門前払いを食う羽目にならないだろうか。そもそもマチュピチュまで、バスと鉄道で行くことは可能なのだろうか」と不安に苛まれていると突然、尻から衝撃が突き上げ、風切音が耳を弄した。窓のシールドを上げると、オレンジ色の光がもの凄いスピードで流れていく。飛行機はすでに滑走路に着陸していた。
せっかく窓際に座ったので着陸直前には、「翼よ、あれがリマの灯だ」と呟こうと思っていたのだが、そんな余裕は全くないまま05:14、リマ・ホルヘチャペス空港に到着。

到着ロビーに出て左に進むと、何やら列ができているカウンターがある。バスのチケット売り場かと期待したのだが、そうではなくて、南米各地に路線を持つ格安航空会社・ラタム航空のデスクとのこと。
インフォメーションカウンターを発見したので情報を入手しようとすると、二階に案内所があるとの返答。
案内所を案内する案内所なのか、と愚痴を呟きながら階段を上る。二階はスターバックスなどのショップが並ぶフードコートで華やかだ。

その一角に「I  peru」と表示された観光案内所を発見。このスタッフの対応が実に見事であった。

リマからクスコへバスで移動する手段を尋ねると、「空港を出て目の前にあるトランジットホテルのさらに先に、空港と市街地中心部を結ぶ『エアポートエクスプレス』のバスストップがあります。
ミラフローレンス地区でバスを降りたら、『メトロポリターノ』にRicardo Palma駅で乗って、javier prado駅で降りてください。
駅の近くに、クスコ行きのバスを運行するCRUZ DEL SUR(クルス・デ・スール)社のバスターミナルがあります」と英語で教えてくれて、感心したのは、説明に地図を用いて書き留めながら説明してくれたことだ。

「空港からクスコに直行するバスはないですか?」と念のため確認したが、それはないとのこと。
「I peru」は国内17箇所に設置され、24時間体制で業務を行っているそうだ。ペルーも国を挙げて観光に力を入れているようだ。

到着ロビーを出て横断歩道を渡り、さらに進んで「エアポートエクスプレス」バス停へ。運賃8ドルを係員に支払い7時に発車

リマ市街は北の「セントロ(旧市街)」と、太平洋に面した南の「ミラフローレンス地区」、その間に位置する新市街「サン・イシドロ地区」に大別できる。
快適なバス車内から街並みを見下ろしているうち、一時間ほどでミラフローレンス地区の5番バス停に到着。(後で考えると、4番バス停で降車した方が良かったかもしれない)

Jokers Casino(ジョーカーズ・カジノ)とAmerican Airline(アメリカン航空)の間に位置する5番バス停から、Av.jose pardo(ホセ・パルド通り) を海と反対方向へ向かう。大きなロータリーをさらに直進して「メトロポリターノ」のRicardo Palma駅に到着。

日本円は通用しにくいということで用意してきた100ドル紙幣を、駅近くの銀行で両替すると 301.50PEN(ペルー・ヌエボ・ソル)になった。明後日にマチュピチュ村の両替商では 315PENになったので、市中銀行のレートはあまり良くないようだ。

路上の売店で朝食

2010年に開通した「メトロポリターノ」は、リマ市内を南北に貫く専用レーンを走行するバスのこと。

地下鉄の父と路線バスの母、両者の優秀な遺伝子を受け継いだ子どものようで、一般車両は入れないレーンを通行するので渋滞とも無縁だ。

さっそく乗車しようと、自動販売機で1回券のボタンを押すのだが反応しない。ならばと、係員のいる窓口で買おうとすると、自動販売機を指さしながら早口のスペイン語をまくしたてるばかりで、英語はまったく通じない。

困っていると観光者らしい二人組のブラジル人が、英語で助け船を出してくれた。Suicaやパスモみたく最初にカードを5PENで購入し、チャージしてから使うようだ。運賃は1乗車一律2.5PEN。

プラットホームにはバスが頻繫に来るが、乗る人いたり乗らない人がいたりする。快速や各駅停車、終点まで行かないバスとか、路線の種類が色々ある模様だ。

日本みたいに漢字による自国語表記ではなく、数字とアルファベットで路線が表示されているのでまだ分かりやすいが、需要の増加で路線が増えているのだろう、a-d,1-8の路線に加えてsx,sxnという特急もあるので、あらかじめ観光案内所で路線図を手に入れておくのが良い。

また、「市民の足」といわれるだけあってラッシュ時は、通勤時の埼京線みたいに混むらしい。

 

従来の路線バス「ミクロ(micro)」も健在 「コンビ(combi)」と呼ばれる小型バスもある

メトロポリターノをjavier prado駅で降車。「この辺りにCRUZ DEL SUR(クルス・デ・スール)社のバスターミナルがあるはずだが…」キョロキョロしながら駅西側の歩道橋を渡る。

歩道橋の踊り場に、10代らしき少女が小さな折り畳みテーブルを広げ、数個のハンバーガーを売っていた。空港の案内所スタッフに書き留めてもらったメモを差し出すと、不安そうにのぞき込んだ彼女の顔が笑顔になった。

示した内容が理解できたらしく、道の反対側に立つビルを右手で指さしながら、左手をひらひらと振って、ビルの向こう側に行けというような仕草をした。
キオスクのスタンドが数軒並ぶ歩道から追われるように、歩道橋の踊り場にテーブルを開く彼女がいじましく思えて、お礼の意味も込めてハンバーガーを一個購入。彼女は慣れない手つきでパンの間にパラパラと塩を振った。

リマの屋台は価格表示がなく、値段がわからない。ありったけの小銭を掴んで広げた掌を差し出すと、彼女は1ソロ銀貨をつまみ上げた。約34円。
歩道橋で頬張ったハンバーガーから、塩の効いたアボカドの味が口一杯に広がった。

この後、南米各地で何回も、絶妙のタイミングでバスを乗り継ぐことに成功するのだが、そのたび、彼女のことが心に浮かんだ。もう顔を思い出すことも出来ないし、本当に彼女は存在したのだろうか、とさえ感じることがある。
ひょっとしたら旅の守護神が、姿を変えて現れたのかもしれない。旅の疲れで気持ちが萎えた時、彼方を指さしながら微笑んでいた彼女の姿が見えたのだ。
今でも彼女はあの場所でハンバーガーを売っているのだろうか。そうだとしたら、ハンバーガーは売れているだろうか、にわか雨が降ったりしなければいいな、などと帰国後も、地球の反対側の空模様を案じてみたりするのだ。

javier prado駅から東へ10分 クルス・デ・スルのバスターミナル
クスコ行きチケットを クレジットで購入  (162PEN=5,536円) 2Fの待合室にはカフェもある

バスの手配が完了したので一安心。発車時刻の17時30 分までの数時間、旧市街を散策することにして、メトロポリターノでTacna駅に向かう。

昼食の焼魚定食
ペルー独立に功績を残したサン・マルティン将軍の騎馬像が建つ「サン・マルティン広場」
市街地に緑豊かな公園

荷物をバスターミナルで預かってもらおうとしたのだが、発車30分前のチェックイン時刻まで受け取ることはできないということで、背負ったまま散策したため、予想外に時間を費やしてしまったうえ、肩や背中も張ってきた。
ミラフローレンス地区の海辺「恋人たちの公園」まで足を伸ばして、リマ名物の海鮮マリネ「セビチェ」を食べたかったのだが断念した。
旧市街の「中央市場」や「中華街」とあわせて、次回の楽しみにとっておこう。

Javier Prado駅周辺にも高層ビルが立ち並ぶ

定刻どおり17時30分に出発したバスの車内は、べらぼうに快適だ。南米で初乗車となる長距離バスだが、これなら三日間くらい乗っていても平気に思える。
街路樹の伸び過ぎた枝をベギバギとへし折りながら進む様などを、広い窓から見下ろしているうち、やがてバスは郊外に抜けて、車窓は夕闇に包まれていった。

見よ、この分厚いシート
20時に配られた夕食
トイレ設備
「クルス・デ・スル」はペルーで最もポピュラーなバス会社

南米では全くといっていいほど英語は通じない。英語で訊いても、賑やかなスペイン語が返ってくるばかり。

韓国を旅行したとき、一番多用したフレーズは “일본어를 잘하네요 / イルボノルル チャラネヨ / 日本語が上手ですね” だった。ホテルの受付はもちろん屋台でも、流暢に日本語を操る現地の人が大勢いたからだ。
しかし、どうやらここでは” No hablo español./ ノ アブロ エスパニョール / 私はスペイン語が話せません。” を頻繫に使うことになりそうだ。

多少はスペイン語も勉強しておかなければと思い、本を開くが子守唄代わりになっていく。

下記を覚えておけば、当面の旅は乗り切れるだろう。

¿En dónde puedo comprar el billete para acapulco? / ドンデ プエド コンプラール エル ビジェテ パラ アカプルコ? / アカプルコ行きの切符はどこで買えますか?

dónde は”どこで”という場所を尋ねる疑問詞。
“Dónde está el baño? / ドンデ エスタ エル バニョ / トイレはどこですか?”

「puedo+動詞の原型」で「私は~ができる」という意味。語尾をあげれば「~してもよいですか」という許可を求める表現になる。
“Puedo tomar fotos? / プエド トマル フォトス / 写真を撮っても良いですか?”
“¿Puedo entrar? / プエド エントラール / 入ってもいいですか?”
“Puedo pagar con la tarjeta de crédito? / プエド パガル コン ラ タルヘタ デ クレディト / カードを使えますか?”
“¿Me puede recomendar algún buen/a restaurante? 良いレストランをお勧めできますか?”

“Esto por favor. / エスト ポル ファボール / これをください”
“Esto” は “これ”
” Que es esto? / ケ エス エスト / これは何ですか?”
“Por favor / ポルファボール” は、”お願いします”
“La cuenta, por favor. / ラ クエンタ ポルファボール / お会計お願いします”

 

“¿Tiene algo más pequeño? / ティエネ アルゴ マス ペケーニョ? / もっと小さいのはありますか?”

“¿Tiene ~? /  ティエネ~?” は”~を持っている”という動詞だが、 “~は、ありますか?” と尋ねるときに使える。

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