「三日食べなきゃ七割治る」船瀬俊介

「病気になったら、食うな、動くな。寝てろ」「食費を半分にすれば寿命は2倍に伸びる」「食べなきゃ不妊もEDも吹っ飛ぶ」「病院という名の “死の教会” に向かう、人類という従順な群れを覚醒させなければならない」との持論を展開する船瀬さん。

 

病気になったとき、彼がまず薦めるのが「ファスティング (断食) 」

 

「断食の空腹感が、免疫力・自然治癒力・排毒力という生命維持装置のスイッチをオンにする」と力説。

断食効果のメカニズムについて「栄養分が断たれることで、身体はどこかから栄養になるものを取り込もうとする。その結果、血管内のアテロームを利用する」と分析、「血管壁の汚れであるアテロームが溶けることで、血流がよくなる」と結論づけます。

 

断食により「免疫抗体の上昇、好中球の殺菌活性の上昇、NK細胞の増加」が確認され、「関節リウマチ改善にも効果的」とも。

 

さらに脳機能へも好影響が。

「断食中、脳の栄養源はブドウ糖から、ケトン体にシフトする」とし、「ケトン体生成に伴って脂肪細胞がどんどん減り、便となって出ていく」いわゆるデトックス効果を指摘します。

 

 

「透析治療は、一回足を踏み入れたら抜け出せない牢獄」と揶揄する筆者、これも「透析と言われたら、まず断食」と喝破。

「慢性疲労症候群は、腎臓機能の低下の現れ」と警鐘を鳴らし、その原因を「肉食」にあるとします。

 

「肉食はクレアチニンや尿素・窒素などの老廃物を増やし、その排出のため腎臓に大変な負担を強いる」と分析、腎臓機能回復には「尿の排出を促すため、朝食を抜いて水分を摂る『半日断食』が効果的」

その方法は,「夜8時までに夕食をとり、朝食を1回抜く。これだけで16時間、胃腸が休まる」

同時に、「疲労回復に効果的なクエン酸豊富な梅干しを、朝昼晩1回ずつ食べるだけ」という「一日断食」も薦めています。

 

腰痛・肩凝りの症状に関しても、「肝臓・腎臓で解毒できない体毒を、できるだけ胃腸から遠いところに溜めようとした結果が『凝り』となって現れる」と指摘。

やはり半日断食を行うことで、「硬縮していた腱が、柔軟性を取り戻し、伸びるようになる」と主張します。

 

さらに「断食でガンも治る」とも。

そのメカニズムについて、「低血流・低酸素がガンの発生原因。毛細血管の細胞は低酸素になると、糖分解でエネルギーを得ようとして、ブドウ糖の一種であるグルコースを生成する。それを、がん細胞が大喜びでエサにする」と解説。

 

「あまり食べないでいれば。ガン細胞はアポドーシス (自殺) する」として、食べる代わりに「ジューサーで作ったジュースや、おろした食物を摂る」ことを薦めます。

その際、「高速ジューサーは摩擦熱で食物を酸化させるので、低速ジューサーを使う」「食物繊維を摂取するため、野菜を混ぜる」「噛むように飲む」ことがポイント。

食べ物をおろす時は、「酵素が活性化しやすい、金属製のおろし金を使う」「酵素が豊富な皮をつけたまま、おろすこと」

 

こうしたジュースは、「活性酸素の掃除屋といわれるスカベンジャー ( Scavenger ) の役割を果たす。

脂肪毒『悪玉アディポサイトカイン』の一種  TNF-α (Tumor Necrosis Factor = 細胞内へのグルコース取り込みを阻害して糖尿病を引き起こす) や、 アンジオテンシノーゲン (アンギオテンシンIIを生成すして血圧を上昇させる) を減少させる」とし、断食との併用を指南します。

 

断食とジュース摂取の併用することで「腸の毒が抜かれる」と指摘。

「腸の悪玉菌が肝臓に入って、全身にばら撒かれるのを防ぐ」とし、「三日目で好転反応が表れる。吐き気や頭痛が起きることがあるが、これは毒素細胞がなだれ落ちている印」と分析します。

 

なお、断食で留意するのは「断食期間中ではなく、復食期」と、注意を促しています。

 

 

食べる習慣を歴史的に振り返ったとき、「『食べ間違い』のルーツは、ミュンヘン大学のカール・フォイト(1831~1908) が唱えた栄養学」と断じます。

「カロリー至上主義であるこの理論、食肉産業と軍隊の癒着で広められた、肉食礼賛のプロパガンダに過ぎない」

 

1920年代には、イェール大学のマッケイ博士が、「食物摂取を制限したラットは、老齢になっても繁殖できる」という実験結果を示しています。

この理論は「ロックフェラー財閥などの医療・食料利権にとっては都合が悪かった」とし、「マッケイ博士が開いたパンドラの箱は、闇の力によって閉じられ、鍵をかけられた」と批判します。

 

 

さらに少食は、「子だくさんに恵まれるライフスタイルにつながる」とも説きます。

「『貧乏人の子だくさん』の所以は、ロクなものを食べていない結果」と主張、「畑の作物も肥料を多くやり過ぎると、図体は大きくなるけれど、実が入らない。

肥料や水を絞れば実が大きくなる。それは、作物の断食」と例えながら、「妊娠四か月くらいに断食すると、強い赤ちゃんが産まれる。お腹の中ですでにサバイバルが始まっている」と語ります。

 

一方で、「セックスミネラル」といわれる亜鉛が豊富な、牡蠣の摂取も薦めます。

 

逆に子どもに恵まれない一因として

「悪魔の甘味料といわれるアステルバームの摂取」

「容器から化学物質が溶け出す、カップ麺の食事」

「経皮毒である化粧品・整髪料の使用」

「身体に密着することで、睾丸の体温が上昇してしまうボクサーパンツの着用」

「ケータイをズボンのポケットに入れたり、膝の上でパソコンを使用する行為」を挙げます。

 

また、「断食とともに、薬を抜く『断薬』も不可欠。慢性病への投薬は害でしかない」とも。

「慢性病を患っているということは、『あなたの生き方は間違っています』という『お知らせ』ととらえるべき」と説きます。

 

「薬ではなく、第9の栄養素「酵素」を摂取すべき。ただし、主成分のタンパク質が 48°C で熱変性するので、ローフードとして摂ること」ととし、「酵素は生命活動を働かせる触媒。老化とは、生命の源である酵素の減少にほかならない」と語ります。

 

「『発酵』とは酵素を発すること。発酵食品の代表格・納豆に豊富な酵素・ナットウキナーゼには、血栓を溶かす効果がある」

 

 

さらに、「笑うは特効薬、感謝は万能薬」と力をこめる筆者。

そのメカニズムを、「大笑いすると、ウィルスが人体に侵入するのを防ぐ『免疫グロブリン』が増加するとともに、横隔膜を上下させるので腹式呼吸を促し、酸素を体内に取り入れる」「ありがとう、という魔法の言葉を発することで、交感神経の緊張が解け、副交感神経が優位に。快感ホルモンのエンドルフィン、感動ホルモンのドーパミン、幸せホルモンのセロトニンが分泌される」と分析します。

 

逆に、否定的な心理状態は「不快ホルモンのアドレナリンを分泌させ、結果的に血糖値も上げてしまう」とし、「真面目・頑固な交感神経緊張タイプの人がガンにかかってしまう」と述べます。

 

こうして発症したガンに対し、抗がん剤を投与することは「火事を消すのにガソリンをぶっかけるようなもの。NK細胞を殺してしまう」と警鐘を鳴らし、「長息法と筋強化が病気を治す」と力説します。

 

「意識して長く息を吐くことにより、脳内セロトニンが活性化。うつ病も改善する。

副交感神経優位になり、毛細血管が開くと同時に、横隔膜や腹筋など呼吸筋群が収縮して内蔵がマッサージされる」

 

筋力については、「(2012年現在) 67歳のスタローン、66歳のシュワルツェネッガーが若々しいのは、筋肉を使うたびに若さホルモンのマイオカインが分泌されるため」と分析、「最大負荷の80%を5秒間かける『アイソメトリクス』を行うことで、筋肉は急速に増強される」と解説します。

 

こうした筋力トレーニングを介護現場にも取り入れるべきとして、「寝かせる介護ではなく、歩かせる介護が必要」と主張、「指一本でも動かすことができれば、全霊を込めて動かすこと。全身の生命力が呼応する」と力を込めました。

 

船瀬俊介 著 「笑いの免疫学」>>>

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