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良いと思っていたことが実は…。情報を掘り下げる努力が不可欠の現代社会

良いと思っていたことが実は…。情報を掘り下げる努力が不可欠の現代社会

 アイルランドの首都ダブリンはリフィー川沿いの、緑豊かな広々とした歩道。その一画に、痩せこけて悲痛な表情を浮かべる人々の像が設置されています。

 1845年から1849年にわたって、ヨーロッパ全域でジャガイモの疫病が大発生、特に主食をジャガイモに頼っていたアイルランドでは、20%が餓死および病死、10%から20%が国外脱出するという惨事となりました。像は当時を偲ぶ「飢饉追悼碑」です。

 多品種のジャガイモを混栽するアンデスの伝統的な習慣と異なり、当時のヨーロッパでは収量の多い品種に偏って栽培されており、遺伝的多様性がなかったため、またたく間に感染が広がったといわれます。

 今年2018年3月、米・麦・大豆など種子の生産・普及は国の責務としていた「主要農産物種子法」が廃止され、民間企業による種子の開発が加速されることになりました。

この流れの行きつく先を考えるとき、冒頭のジャガイモ飢饉を思い出します。

種子法廃止でどのような影響があるのか、その勉強会が「おおまち9条の会」主催により、「ふたえ市民農園」管理棟で開かれました。

ズッキーニなど夏野菜たっぷりのカレーライスを頂きながらのDVD鑑賞、印象的だったのは、企業が開発した種子は知的所有権で保護され、勝手に売買できない、ということでした。

最近、流通大手企業が生産者と「栽培契約」を結び、産地直送の農産物を加工販売するという手法が脚光を浴びており、私もたいへん良いことだと思っていました。

しかし実態は、企業が独自に開発した種子を利用させ、生産物はすべて企業側が吸収するという構図がDVDからうかがえました。

農業生産に種子が占める原価率は2%程度ですが、農薬や化学肥料を加えると20%に跳ね上がるということで、莫大な種子の研究開発費を回収するために、適合する除草剤などとセットで種子が販売されるケースが多いそうです。

私の身体に入る食物ですが、どこでどうやって作られているのかわからない。まだまだ勉強することが山積です。

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