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音読・暗写・多読が高校の授業で大きな成果に。「英語力が飛躍するレッスン」

音読・暗写・多読が高校の授業で大きな成果に。「英語力が飛躍するレッスン」

「英語力が飛躍するレッスン」という本を友人からお借りしました。

高校の英語教師である筆者は、教員になってから10年ほど経過した頃、どうしても生徒の実力が向上しないことに思い悩み、その原因は英文和訳から脱却できないことにあると考えます。

( この点に関しては大西泰斗氏も、「これまでの文法教育はある意味、非常に正しかった。どういった意味での正しさかというと、日本語にきちっと置き換えて理解するための文法だった。しかしこれから、私たちの目標は『訳す』から『話す』に大きく変わってくる」と指摘しています)

逆に、音読しているとき、生徒の表情は明るいことに気づき、音読、暗写、多読を積極的に取り入れます。ゴールを明確にして、今何のために何をしているのか明らかな授業を心がけながら。

「言語を使えるということは、言い回しや表現を何度も聞いていて、その真似をしているからにほかならない。豊富な言語体験があれば、そのデータが脳に蓄積される」そんな信念のもと、実践して大きな成果を上げた「音読」の方法は以下の通りです。

音読を行うタイミングは、復習する時。意味が分からない英文をいくら音読しても効果は薄い。音読の前に内容理解に時間をかけても構わない。ただし、日本語に直して書く必要はない。脳内で内容をイメージして理解するトレーニングを行う。

例えば my dog jumping over the fence. という文があったら情況を生き生きとイメージする。英単語もイメージで理解する。speakは口から出す、talkは話し合うイメージ、という具合に。

内容理解の作業が終わったら音読に入る。内容を思い起こしながらゆっくりと、各単語を正しく発音する。

5ー10行を1 パートに、回数は30回くらいが目安。確認作業として、音読したパート4つ分くらい、30―40行の暗写を行う。30回音読して10回書く。

大きな声をしっかり出して音読すると、アドレナリンが分泌される。脳に強く英文が刻み込まれる。

音読暗写によって、話し手の意図をくみ取ることができるようになり、リスニング能力も伸びる。リスニングができると読解にもいい影響が出る。聞けるということは、読めるということ。さらに聞き直せない状況で理解していることは、英語を英語で理解していることで、これを言語処理の自動化という。英文和訳を軸にした授業では、リスニング力を大きく向上させることは難しい。優れた英文を音読してこそ英語力がつく。

英作文の力もつく。事例を取り入れながら、課題に沿った話の展開ができるようになる。正確で多様性に富んだ語句を用いながら、接続語を正しく使って、文章をまとまりよく構成できるのだ。

『その英語 ネイティブにはこう聞こえます』という本の中に、「タクシーを呼んでください」を  Could you call me taxi? と言うと「私のこと、タクシーって呼んでね」となってしまう、との一節がある。正しくは Could you call me a taxi? 冠詞aがポイント。

このように、基礎的な文法力、語彙力、熟語力、構文力をないがしろにしないこと。

語彙力を増加させるには、単語ではなく意味のある英文で覚えるのがコツ。

発音に関しては、大人になると、意識して舌の動きや口の動かし方を学ばなければ、正しい発音ができないのは事実。だからといって音声学の基礎をいちいち学ぶ必要はない。R,TH,TRなど、日本語にない音や二重母音、子音の特徴の練習をする。

バスケットボールの練習でいうところの分解練習、すなわちドリブルやシュート、パスの練習をし、さらにゲーム形式の総合練習を行って初めて、強いチームができるのだ。

単語・熟語や文法・語法の知識をふんだんに使いながら多読することで、言語体験を豊富にすることができる。

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