トウモロコシの育て方・料理法

トウモロコシ
イネ科
ph 6.0〜6.5
連作可能

高温で日当たりがよい場所を好み、真夏に収穫が楽しめるトウモロコシ。

朝日と夕日がたっぷり当たるように、畝は南北に作ります。

確実に受粉させること、実に害虫がつくのを防ぐことが、成功のポイントです。

まとめて種まきすると発芽率がよくなるので、ポットまき・直播きともに、1穴に3粒をまきます。

 

発芽しやすいよう尖った方を下に向け、指で1cmの深さに押し込みます。

軽く土をかけ、たっぷりと水をやります。

ポット苗は、そのまま暖かい環境で育苗します。

日光には充分当てるが、高温になりすぎないよう換気に注意。

夜に水分が多いと徒長の原因になるため、水やりは朝に行います。

発芽した株は、間引かずに3本とも育てます。

トウモロコシは、クリーニングクロップ(お掃除作物)と言われるほど吸肥力が強く、根が深く張り、肥料を好む野菜なので、しっかり施肥して深くまで耕します。

 

ポットまきから3〜4週間、草丈15cm程度で畑に定植します。

根を切らないように注意しながら、ポットをはずして1本ずつに分けたら、株間30cmで2列植えにし、たっぷりと水をやります。

トウモロコシは風媒花で、雄花の花粉が風によって運ばれ、雌花について受粉します。

そのため、1列で長くするよりも、2列以上でまとまるように植えたほうが、うまく受粉して粒ぞろいが良くなります。

 

栽培できる時期に幅があるので、種まきを少しずつずらせば、長期間の収穫が可能になります。

夜の気温が生育適温を下回る前の、10月下旬までの収穫を目指したいところ。

その場合、8月上旬頃が種まき時期の目安になります。

しかし、春に種をまくのに比べ、異常気温などによる生育不良も多いので、リスク覚悟で余った種を試しにまいてみる程度がオススメ。

直播きの場合は発芽はじめに鳥につつかれやすいので、不織布をベタ掛けして防ぎましょう。

 

同じ畑で違う品種を育てると、それぞれの品種の花粉が受粉し合ってよい実ができません。

例えば、実が白い品種に実が黄色い品種の花粉が混じってつくと、白と黄色の粒が混じった実になってしまいます。(交雑)
そのため、複数の品種のトウモロコシを育てる場合は、トウモロコシの花粉が飛ぶ距離(100~200m)では育てないように注意します。

避けられない場合は、開花時期がずれるように、種まき時期を調整するなど工夫が必要です。

トウモロコシには、「アワノメイガ」の幼虫が寄生して実を食害します。
そこで「コンパニオンプランツ」として、マメ科の野菜(インゲン、エダマメなど)を混植することで、アワノメイガが寄り付かなくなる効果があります。

 

土寄せを行うことで枝根がたくさん伸びて生育がよくなり、また、倒伏防止にもなります。

草丈40〜50cm、本葉5〜6枚の頃、1回目の追肥をします。

この頃は、雌穂が分化する直前で、ここで穂の大きさと粒の数が決まります。
株元に追肥を施し、しっかりと土寄せをしておきます。

株の先端に雄穂が見えた頃、2回目の追肥・土寄せをします。

この頃は、雌穂からヒゲ(錦糸)が出る1週間前にあたり、受粉に備えて草勢をピークに持っていくための大切な時期です。
草丈も高くなってきているので、株元にしっかりと土寄せをしておきます。

わき芽かき(除げつ)は行わない。株全体の葉の面積が増えて光合成が活発になり、より多くの養分が作られて穂の太りがよくなります。

根張りもよくなり、倒伏しにくくなる効果もあります。

従来では、一般的にわき芽かきが行われていましたが、近年はこれを取り除かなくても生育・収量に大きな影響がないことが分かり、省力化も兼ねて放任するようになりました。

雄穂が開花してからは、水切れに注意します。
この時期に水切れすると、先端まで実が入らなかったり、穂の太りが悪くなります。

トウモロコシの雌穂はヒゲの位置が内側になり、花粉は風によって運ばれるため、同じ株の花粉では受粉しにくくなっています。

そのため、家庭菜園など株数が少ない場合は、人工授粉しておく方が無難です。
雄穂を切り取り、雌穂のヒゲに擦り付けて花粉を付けます。

アワノメイガは、雄穂に誘引されて産卵し、幼虫が雌穂について実を食害します。
それを防ぐため、受粉が終わったら雄穂を切り落としておきましょう。

株の先端につく雄穂が先に開花し、その数日後に雌穂のヒゲ(錦糸)が伸び出します。雌穂から出るヒゲが色づき始めたら、受粉完了のサイン。

1株に2〜3本の雌穂ができますが、実入りのいいトウモロコシを収穫するため、1株に1つの雌穂を残して摘果します。
ヒゲ(錦糸)が発生した頃に、最も生育の優れた最上部の雌穂を残して、他の雌穂はかき取ります。

下の方についた雌穂は、小さいうちに摘果することで、ヤングコーンとして食べることができます。
ヒゲが出てから1週間ほどの実が食べ頃です。

雌穂のヒゲ1本1本は、トウモロコシの実の1粒1粒に繋がっていて、熟すと茶色に色付きます。

開花から20〜25日、ヒゲが茶色に縮れてきたら収穫適期です。
目安としては、手で押すと中身の手応えを感じる、または、外皮を少しむいて上部の実の膨らみを見て確認します。
収穫は、実の付け根を切る、または、下に倒してねじって折り取ります。

ヒゲが茶色く縮れてもタワラ(実)がふっくらしていないものは、うまく受粉ができなかったもの。このまま生育させても肥大しないので収穫してしまいます。

トウモロコシは冷え込んだ夜に糖度が高まるので、早朝収穫がいちばん甘いです。夜になり気温が下がり呼吸が減少すると、日中に葉で作られた糖分が実に送り込まれ蓄えられるためです。

収穫期を過ぎると実が固くなってしまいます。

また、収穫後も数時間で甘みが落ちるので、すぐに食べない時は茹でて冷凍しておくのがオススメ。

 

とうもろこしの冷凍保存①こそのまま冷凍庫へ

ひげの先端をはさみで切り落とし、まわりの土汚れをはらったら1本ずつラップにぴったりと包み、保存袋に入れて冷凍庫へ。冷凍庫で1ヵ月程度保存可能。

解凍するときはラップのまま耐熱皿にのせ、電子レンジ(600W)で、1本(300g)あたり6〜8分加熱、皮をむけばそのまま「ゆでとうもろこし」としていたた゜けます。

料理に使う場合は1~2分程度加熱してから皮をむき、食べやすく切って使います。

 

冷凍のまま炊飯器にポン! 芯からも旨みがしみ出る「とうもろこしごはん」

  1. 冷凍とうもろこし1本の皮をむく。炊飯器に入らない大きさであれば、電子レンジ(600W)で1分加熱して半分に切る。
  2. 米3合をといで炊飯器の内釜に入れ、3合の目盛りまで水を入れる。塩を少々入れてかき混ぜ、1をのせる。通常の炊飯モードで炊く。
  3. 炊き上がったらとうもろこしを取り出して粒をそぎ落とし、混ぜ合わせる。

 

とうもろこしの冷凍保存②皮ごとレンチンして冷凍庫へ

とうもろこしは電子レンジで加熱すると甘みを保つことができます。下処理のひと手間はありますが、とうもろこしの甘さをより楽しみたい人はこちらがおすすめ。

ひげの先端をキッチンばさみで切り落とし、まわりの土汚れを払う。皮つきのまま耐熱皿にのせてラップをして、電子レンジ(600W)で1本(300g)あたり4~5分、2本(600g)あたり8~10分加熱する。

ラップをしたまま粗熱をとる

粗熱が取れたら皮についている水分をペーパータオルで拭き取り、1本ずつラップでぴったりと包んで冷凍用保存袋に入れ、口を閉じて冷凍する。冷凍庫で1ヵ月程度保存可能。実の水分を保つため芯から切り離さずに保存するとよい。(家庭用冷凍庫では冷凍に時間がかかり、粒の水分が蒸発しやすいため)

解凍するときは、ラップのまま耐熱皿にのせ、電子レンジ(600W)で、1本(300g)あたり3~4分加熱する。

やけどに注意しながら皮をむき、フライパンに醤油適量とともに火にかけ、転がしながら焦げ目がつくまで1~2分焼けば、甘さ際立つ「焼きトウモロコシ」の出来上がり。

 

とうもろこしの冷凍保存③粒にして冷凍庫へ

  1. 皮をむきよく洗い、キッチンペーパーで水気をふきとる。
  2. 包丁でコーンをそぎおとして、ジップロックにいれる。
  3. 固まりにならないように広げるようにして冷凍保存する。2ヶ月もちます。

コーンポタージュ(2人分)

  1. 冷凍粒トウモロコシ1本分を、バター 大 1  で炒める。
  2. 牛乳 400ml とともにミキサーへ。
  3. 塩コショウで味を調える。

トウモロコシご飯 (4~6人分)

  1. 冷凍粒トウモロコシ1本分と、米 2~3 合を普通に炊いて、塩を振る。

 

3日以内に食べるなら冷蔵保存でもOK

皮、ひげを取らずに1本ずつペーパータオルで包む。冷凍用保存袋に入れて口を閉じ、冷蔵庫の野菜室で保存する。

 

 

トウモロコシのゆで方

とうもろこしは外側の皮をむいて内側の皮1~2枚を残し、最後に鍋に入りやすいように余分な茎を切り落としてゆでます。

皮を残すことで水分が飛びにくく、ジューシーな仕上がりになります。

また、ゆでたあとに残った皮をむくと、ひげを簡単にきれいに取り除くことができます

 

次に、ゆでる鍋と水・塩の分量を決めます。

とうもろこしがすっぽり入る鍋(又は深めのフライパン)を用意し、ひたひたになるまで水を加えます。

その水に対して2〜2.5%の塩を加えます。とうもろこしは沸騰した後に入れるので一度取り出します。

塩を加えたゆで湯が沸騰したら、とうもろこしを鍋に入れ、10〜12分ゆでます

あれば落とし蓋をして、なければ途中2〜3度とうもろこしを鍋の中で回転させながら、ぐつぐつ軽く煮立つ火加減(中弱火くらい)でゆでます。

ゆで上がったら、そのまま10分間ゆで湯につけたまま放置しておきます。

そうすることで、適度に粗熱が取れて塩もなじみ、食べたときにより甘く感じるようになります。

10分たったらざる上げして、皮をむきとってからいただきましょう。

 

冷ましてから食べる場合は、1日くらいなら塩のきいたゆで湯ごと冷まし、浸けたまま冷蔵庫で保存してもOK。

冷蔵庫のスペースが少ない場合は、粗熱が取れたら水気を切って、皮つきのままラップに包むか保存容器に入れて冷蔵しておくとよいです

 

茹でるのではなく、レンジで4分半ほど加熱する方法もあります。

茹でる方がジューシーで、塩もしっかり入りやすい一方、レンジ加熱は水を最小限しか含ませない分、甘みが強く感じられると思います。

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