梨状筋に学ぶ。人生で知っておくべき、筋肉の操縦法

右股関節の手術から六日がたちました。

 
右股関節はスムーズに外旋するようになり、まるでクレ99を塗ったみたい。

 
しかし、右お尻の下外側に、硬い凝りが常に感じられ、指で押すとコリコリして、ツーンとした痛みが走ります。

何かのツボなのかと思ったのですが、理学療法士によると「梨状筋が硬くなっていますね」とのこと。

 
「しばらく凝りは残るかもしれません。退院したら、仰向けの状態で、お尻の硬いところにテニスボールを当て、ゴロゴロ転がしてみてください」とのアドバイス。
 

「先生、やはりダンロップ製のボールが効きますか ?」

「いやいや、百均で売ってるボールでじゅうぶんですよ」
 

梨状筋は…

…仙骨の前面に起始し、大転子内側に停止する。

股関節の外旋・外転とともに、大腿骨を後方から引き寄せて股関節を固定する作用がある。

歩行時に向きを変えたり、立っている状態で体の向きを変えるときの軸足の動きで主に使われる。

 
深層に位置するため触診しづらいが、寝て膝を立てると大殿筋が緩み、触診が可能となる。

、「大腿筋膜張筋 中殿筋 大殿筋 小殿筋 梨状筋 上双子筋 腸肥靭蒂 下双子筋 内閉鎖筋 大腿方形筋」というテキストの画像のようです

足の外旋筋力  (梨状筋など「深層外旋六筋」による) は、内旋筋力 (中殿筋・小殿筋の前部線維、大腿筋膜張筋、大内転筋、恥骨筋などによる)の3倍あり、外旋優位で股関節は安定する。

だから、仰向けに寝たとき、つま先は外側に開く。

つま先の開きが左右異なった状態で歩行していると、梨状筋に圧痛が生じてくる。

 

筋肉が硬くなるメカニズム

筋肉には「筋節 (きんせつ)」という、竹のような「節」がある。

筋肉は、張力に応じて筋節の数を増減させて、長さをコントロールしている。

 

伸ばされる刺激が多いと筋節が増えて長くなり、縮める刺激が多いと短くなるという特徴を持つ。

つまり、ずっと同じ姿勢でいると、筋肉の動く幅が少ないため、短く硬くなってしまうということ。

 

また筋肉は、使わないと萎縮し小さくなる。

萎縮が起こると、筋線維の間に隙間ができて、その隙間を埋めるべく、筋膜が入って厚くするが、その筋膜が癒着して、筋肉が繊維化していくと言われる。

繊維の柔軟性は乏しいため、筋肉の繊維化が進むほど、柔軟性は低下してしまう。

 

筋肉が短く、しかも繊維化するということは、筋肉のボリュームが減るということなので、筋肉の「静止張力」が上がる。

これは、筋肉が伸ばされた状態になっているということで、筋肉が自らを守るため縮もうとする「伸張反射」が起きやすい環境になる。

筋肉が縮もうとすることで不要な力み (緊張) が生じ、この力みが筋肉の凝りを生じさせる。

 

硬い筋肉は血管を圧迫、その部分は血流不足になり、筋肉をゆるめるPATP(アデノシン三リン酸)不足で、さらに硬いままになる。

虚血状態が続くと、発痛物質であるブラジキニンが生成され、痛みも生じてくる。

痛みは交感神経を刺激して、さらなる筋肉の緊張を強いてしまう。

まさに、負のスパイラル。

 

しかも脳は、ストレス状態が続くと身体を麻痺させて、凝りがあるのにそれを感じさせない身体にしてしまうため、筋肉は本来の弾力を忘れて、「弛む・力を入れる」という切り替えがうまくできなくなる。

 

人間の脳は、身体の状態を記憶していて、気づいたら同じ姿勢のままになっているというケースも多い。

 

梨状筋も、長時間のデスクワークや運転など、同じ姿勢が続くと痛みや腫れが起こる。

また、反り腰で骨盤が前に傾くと、梨状筋が通常の位置よりも引っ張られ、過緊張の状態が続くことになる。

 

また、エクササイズを習慣にしていても、筋肉を縮める刺激ばかりで、その後の伸ばすケアをしないと、筋肉は短く硬くなってしまう。

 

力を入れる運動だけでなく、伸ばす刺激・可動域を拡げる動きも取り入れましょう!

 

硬くなった梨状筋をほぐすには…

1.マッサージ

冒頭に書いたように、梨状筋のあたりにボールを当てて転がす。

パ―トナーがいるときは、肘で押してもらう。

2.ストレッチ

梨状筋は、大腿骨頭についているので、股関節のストレッチでほぐれる。

ヨガでいうところの「合蹠(がっせき)のポーズ」

なお、ストレッチは「静的」に行うのが推奨される>>>

体はすべてつながっている

股関節は、腸腰筋など前側の筋肉と、お尻となる後ろ側の筋肉がバランスを取りながら動いている。
しかし、長時間座る生活や片足重心などの習慣が続くと、お尻の筋肉がうまく使えなくなってしまう。

すると、どうなるか?

本来お尻が担うはずの働きを、股関節の前側が代わりに頑張ることになるため、足の付け根に負担が集中してしまう。

その「結果」として、股関節の前側が痛い、という症状が現れる。

つまり、痛い場所=原因 とは限らない。

人間の身体は張力と圧縮のバランスで支えられているという「バイオ・テンセグリティ」の考え方。
すべての部分がお互いに関係性を持っているので、疾病部位だけでなく全体を見ることが必要。

テンセグリティ (Tensegrity)とは、圧縮材が直接触れ合わず、張力材(紐やワイヤ)のバランスによって空中に浮いているように見える、軽量で高強度な構造設計原理。
「Tensional(張力)」と「Integrity(統合)」の造語

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