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ジャガイモの葉が、竹ほうきになってしまった。犯人はテントウムシダマシ

ジャガイモの葉が、竹ほうきになってしまった。犯人はテントウムシダマシ

幼い頃、たまにパチンコ店に入ることがありました。

もちろん一人ではなく、父の後について行ったものです。

店内に入るとすぐ、いわゆる”ドル箱”をいくつも用意して後を追う私を、苦笑しながら振り返っていた父の笑顔が、微かに記憶に残っています。

今日、ジャガイモの収穫に向かう私は、いくつもの空箱を用意して大漁に備えました。
しかし結果は…。

不作の原因は、テントウムシダマシ (ニジュウヤホシテントウが代表格) に葉を食べつくされたためです。

 

葉が竹ほうきのようになってしまい、小さな魔女が跨れそうです。

来年に向けて、テントウムシダマシの生態を学習です。

テントウムシダマシは、「ダマシ」という名前が付いているものの、テントウムシ科に属する昆虫。
テントウムシはアブラムシを捕食する肉食性の昆虫で、体内に毒(アルカロイド)を蓄えているため、鳥に食べられることもなく、天敵がいないといわれています。

テントウムシダマシは草食性の上、そのような毒も持ち合わせていません。そのため、テントウムシに体を似せることで、身を守っているのです。

テントウムシダマシはテントウムシと比べ、”斑点がぼんやりしていて数が多い、全体的に艶がない 、産毛のようなものが全体を覆っている” のが特徴。
テントウムシダマシは成虫も幼虫も、葉や果実をさざ波状(網目状)に食べるという特徴があり、食欲が旺盛なため、あっという間に被害が広がってしまいます。

寿命はテントウムシと同様に2~3年。寒くなってくると、落ち葉や家の軒下などの物陰に集団で移動し、ひっそりと越冬します。

越冬した成虫は、春になると活動を始め、最初にジャガイモを食べ、気温が高くなってきた段階でほかの植物へ移動します。

年に1~2回産卵しますが、まず被害に遭うのはジャガイモ。

1度に数十個の卵を産むため、環境が整っているとものすごいスピートで個体数を増やします。

 

ジャガイモの時点でなんらかの対策を打たないと、ナスやトマトにも被害が広がります。

作物の葉の裏に密集した黄色い卵を見つけたら、はさみで葉ごと切り落とします。葉を放置しておくと孵化してしまうので、必ず処分します。

 

孵化してから幼虫までの間は団体で行動するため、葉が集中的に食べられ、発見しやすい状態が続きます。

幼虫の場合は、ガムテープを使って駆除することもできます。

 

成虫になると団体で行動しなくなりますが、とても目立つ色・柄をしているので、容易に見つけることができます。

成虫は少しの振動で落とせるため、植物をゆすりカップで受け取るか、網を使って捕まます。

 

作物の背が低い場合は、寒冷紗や防虫ネットを利用してトンネル栽培することで、飛来を予防することができます。

ただ、テントウムシダマシは小さいため、目の細かいネットを使用することになるので、通気性や陽当たりの悪さといったデメリットも考慮します。

 

近くに雑草が生い茂っていると、害虫が集まりやすくなります。

周囲の草刈りをしっかりと行うことが大切です。野菜などを育てる際は、雑草の近くを避けるということも考えましょう。

害虫の予防は場所選びからも始まっているのです。

 

テントウムシダマシは、シュウ酸濃度が高い植物を嫌うので、そばにホウレンソウを植えるのも一方法。

 

大量発生したら、いちいち捕獲して駆除では追いつきません。薬剤の力を借りることになります。

住友化学園芸の「スミチオン乳剤」は、水に薄めて植物に散布する薬品です。害虫駆除に広く使用されています。

同じく住友化学園芸の「パイベニカVスプレー」はスプレーボトルのため、そのまま使用できてお手軽です。オーガニック栽培でも使える薬剤です。

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