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rain・rainy・raining の使い分けから見えてくる、英文の「時制」

長く続いた秋晴れですが、夜半から雨になりました。今日植えたタマネギの苗の活着には、ちょうどいいタイミングです。秋の夜長に、英語での雨の表現について整理しました。rain、rainy、rainingの使い分けが、今だによく分かっていないので。

“It might rain tomorrow.”「明日雨が降るかもしれません。」
“If it rains tomorrow, I’ll stay home.”「あした雨が降ったら、家にいるつもりです。」(ちなみに If 節は、時や条件を表す副詞節なので、willは使わず現在形です)

この”rain”は動詞です。

英文には必ず「主語が必要」ですが、「天気」の主語には”it”が使われます。この”it”は特に訳す必要はありません。
(ちなみに「曜日・日付・時間」を表すときも”it”を使います。
Just then the clock began to strike. It was twelve o’clock. /「Cindelella」より)

そして動詞の”rain”は他の動詞と同じく、三人称・過去形・進行形に変化します。

“It rains a lot in my hometown in summer.”

“It rained all day yesterday.”

“It is raining in Hokkaido.”

そして”rain”には、名詞としての「雨」という意味もあります。

“We have a lot of rain in June.”

“There is a lot of rain in June in Japan.”
“rain”は不加算名詞なので単数形の“There is”となる事に注意してください。

名詞用法で注意すべきは、主語を”we”や”there”にする点で、“It is rain.”のようにitを主語にすると、「それは雨です」という意味になってしまいます。

そういえば、映画『明日に向って撃て!』(1969) の中盤、自転車に乗ってデートする美しいシーンのバックに流れていたのが、「雨にぬれても」という曲でした。原題は「Raindrops Keep Fallin’ On My Head」
英語でも日本語と同じように、”rain” を主語にすることもあるようです。”It started to rain” ⇒ “Rain was starting”
このように気象用語を主語に配置すると、情緒的に響く効果でもあるのでしょうか?

「A fine rain was falling.」
この英文は早稲田大学法学部 入試問題の抜粋です。
“fine” の意味を問う問題ですが、「晴れ」の意味だからと、「天気雨が降っていた」と訳すと間違い。天気雨は “sun shower”です。
この場合の fine は「細かい」と訳して、「霧雨(小ぬか雨)が降っていた」が正解です。
fine dust は「細塵(じん)」、fine powder は「細粉」の意味です。
意外なところでは、fineには「罰金(を科す)」の意味もあります。 She was fined 100$ for speeding.

英単語は一つの語にいろいろな意味があって (多義語) 戸惑いますね。

私はニュージーランドのユースホステルに泊ったとき、”alcohol-free” の貼り紙を見つけ、「さすが自由の国、酒は自由に飲める」とばかり、ビールをグビグビ飲んでいたのですが、”Drug-free” の貼り紙もあって、ちょっとおかしいなと思い辞書をひきました。
すると、“free of/from 〜(〜の束縛がない)” の意が転じて、 “〜 free” という形の複合語は、「〜が入っていない」「〜禁止」を表すとのことで、あわててビール缶を隠したことがあります。

「バリアフリー」は「barrier(障壁)がない」・「デューティーフリー」は「duty(関税)がない」の意味ですね。

ちなみに「アルコールが入っていない飲み物」は、”non-alcoholic (drinks)” といいます。

話を “rain” 関連に戻しましょう。

“rainy”は形容詞なので、“It is rainy today.”のように、be動詞とともに使います。

この場合「今日は雨模様」という訳になり、“It is raining. / 今まさに降っている” 状況とはニュアンスが異なります。

以下の単語も”rain / rainy” と同じように使い分けます。

snow (雪が降る・雪)  ⇒ snowy (雪の)

shower (にわか雨が降る・にわか雨) ⇒ showery (にわか雨の)

cloud (曇る・雲) ⇒ cloudy (曇りの)

fog (霧がかかる・霧) ⇒ foggy (霧の)

mist (靄がかかる・靄) ⇒ misty (靄の)

frost (霜がおりる・霜) ⇒ frosty (霜の)

steam (蒸気を出す・蒸気) ⇒ steamy (高温多湿の)

storm (嵐が吹く・嵐) ⇒ stormy (嵐の)

以下の単語は、名詞・形容詞になると天気の表現になります。

sun (日向ぼっこをする・太陽) ⇒ sunny (天気の良い)

wind (息切れさせる・風) ⇒ windy (風の強い)

ところで、”It rains” と “It is raining” は違うのでしょうか。この違いが、英文を作るうえで非常に重要なポイントになります。

“It rains” は「現在形」と呼ばれますが、「普段形」とでも呼んだ方が適切ではないでしょうか。

状態や習慣は、”I am a man” “I like skiing” のように現在形で表現しますが、”I am a man”や “I like skiing”の状態・習慣は、昨日も明日も続きます。現在だけでなく、過去も未来も含めた”普段の”表現です。

過去から未来へと続く時の流れを、1本のチクワに例えるとすれば、チクワ丸ごと1本の状態が、「現在形」で表現されます。

チクワをカットした断面の状態、すなわち、時の流れの中の、一時の状況は「進行形」で表現します。
ですから、雨がふっている今の状況は、”It is raining” と表現します。

“It hardly ever rains in the Sahara Desert.” とか “It rains everytime when I go hikihg” のように、「普段の」状況を「現在形」で表現します。

同じように、”I go to high school. / 高校に通っています” や “I study English two hours in a day / 英語を一日二時間、勉強しています” など、今まさに go や sturdyしていなくても、「現在形」で表現します。

そして、チクワを2か所でカットして切り出した状態、すなわち、時の流れの中の、一定期間の状況は「完了形」で表現します。
“It has been raining since last month.” “It has not rained since last month.”

例えば、日本語では「~ に住んでいる」「~ に住んでいた」という表現を英語で表すと、

1. I am living in ~ (一時的に住んでいる)
2. I live in ~ (住んでいる)
3. I lived in ~ (住んでいた)
4. I have lived in ~ (住んでいたことがある)
5. I have been living in ~ (住み続けている)
と、さまざまです。

英文は、S(主語) + V(動詞) で始まります。
主語を決定したら動詞を選ぶわけですが、その際、「普段」「今」「過去」「未来」のどれを表現するのか、時制を決定することが、英語脳で会話をするためのポイントになります。

日本語の動詞に「未来形」はないため、動詞の前後の単語から時制を判断します。
「昇進できなさそう」を英訳するとき、” seems to ” “not be able to” と考え出すと、おかしな英語が出来上がってしまいます。
「できなさそう」は未来を表す表現ととらえ、主語・動詞・時制を考えて “I’m not going to get promoted” でオーケーです。

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