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「スポーツゼビオ」スキー試乗会@戸隠で、神のお告げ「重力に身を委ねよ」

福島県郡山市に創業した紳士服店をルーツとする「ゼビオグループ」、2005年には(株)ヴィクトリアを子会社化するなど、郊外立地型のスポーツ用品店として成長してきました。

 

その主翼を担う大型総合スポーツ専門店「スーパースポーツゼビオ」が主催する、「最新モデルスキー・レンタル試乗会」が、戸隠スキー場で2月20日〜3月31日に開かれています。

 

各メーカーの最新モデル約100台を、9:00~14:30の間、30分ごとに履き替えて試乗できるというもの。レンタル代は5,000円。

三連休中は特別に、戸隠スキースクールとのコラボが組まれています。

「一日スキーレッスン付きで8,000円」という企画に参加しました。

 

熟年インストラクターに感化される

レッスンを担当頂いたのは、大阪の大学時代に競技スキーに魅せられ、戸隠に移住してロッジを経営する梅田先生。

御年64歳!

ぱっと見は、どことなく三浦雄一郎を彷彿させる、人の良さそうなおじいちゃんです。

 

しかし、ひとたびゴーグルをかけてゲレンデに出れば、20代のトップインストラクターだと言われても疑問をはさむ余地のない、そんな滑りでスキーをコントロールするスペシャリストに変身。

 

変幻自在、まるでキューティーハニーのようなスキーヤーなのです。

 

この出会いだけでも、私のスキーライフには大きな刺激となりました。

しかも受講者は、私ともう一人の友人だけで、プライベートレッスン状態。

キューティー梅田を独占という、何とも贅沢な一日になったのです。

 

午前中のレッスンは「中回りパラレル」

パラレルはターン始動時、インエッジからアウトエッジへの切り替えを意識することがポイント。

この時、スキーはフラットになります。

画像はyoutubeからの拾い物>>>

私は今までコブばかりガツガツ滑っており、いかに次のターンに素早く切り返すかに執心して、両足が斜面に対してフラットになる感覚は意識したことがありませんでした。

 

スキーを振るだけで、弧を描いていないターンだったのでしょう。

 

したがって、スキーをフラットにする意識は新鮮でした。

ブレーキの効かない状態でトップを落とす動作なので、最初は恐怖心が先に立ちましたが、慣れると何とも言えない浮遊感が味わえます。

 

「ただ、重力に身を委ねるだけの快楽」

 

斜面の状態や自身のスキー操作など、全てがうまく調和した瞬間は、頭だけではなく体までも真空になり、無重力の世界を浮遊しているような恍惚感に包まれます。

 

このとき重要なことは、ターン後半から次のターンを狙って行くとき (写真左)、足首の角度を緩ませないこと。

フラットなポジションに移行するため、股関節と膝関節を使って太ももは立てますが、足首は伸ばしません。
足首が伸びて脛が立ってしまうと、ポジションが後ろに傾き、スキーだけが前に進んで暴走を招きます。

 

「お食事処 くえい」にて昼食。さすが戸隠、そばは乾麺ではなく手打ちです。「食えぃ」とは豪気なネーミングと思いきや、「中社 区営食堂」の意味らしい。

 

午後のレッスンはウェーデルン

昔の教本では、スキーのテールを振る感覚でしたが、現在のウェーデルンは、パラレルターンを小回りにする技術として位置付けられています。

ターンを連続的につなげるため、パラレルターンでは谷足荷重でエッジングしていた過程を、下方向に意識を向けた横滑りの動作に代えます。(イメージではなく、横滑りさせちゃっていいんですよね? 梅田先生…)

その結果、上半身は常に谷に向くことになります。

ポジションを両スキーの間にきちんとキープしておかないと、次のターンに入ることができません。

左右のバランス確保に加えてパラレルと同じく、前後のポジションキープはもちろん不可欠。

後傾すると、ブーツを中心とした回旋動作は不可能になります。

 

 

ウェーデルン練習時、最初に試乗した「VOLKL RACETIGER SL  165cm」は、足元が硬くて私の脚力では踏み込み切れませんでした。

操作がシビアで難しい、レーサー向きのハードな板です。

 

堅いアイスバーンで雪面を捉えることが出来ず、山側にバランスを崩して、あっと思う間に転倒してしまいました。

谷足に荷重しすぎで、内倒しているのかもしれません。

 

「ストックを突く位置が前過ぎるから、上体がスキー進行方向に向いてしまっているよ。ビンディング横、そしてもっと谷側に突いてごらん。上体が谷に向かって被る形になるから」と、キューティー梅田のアドバイス。

 

上体を折り曲げて腰に両ストックを挟み、落とさないようにパラレルで滑る練習を緩斜面で行いました。

上体でスキーをブロックする感覚を養うためです。

 

そしてスキーをSALOMON に履き替え、ターン後半では両足でしっかり足場を作るイメージでスピードを抑え、「こんなにぃ」と思うくらいに上体を谷側に預けてターンを切り替え、滑り降りてみました。

その時ゴールには、ゴーグル越しにもはっきりとわかる、満面の梅田スマイルが咲いていたのでした。

 

9:30~11:30、12:30~14:30のレッスンが終了。

自身の滑りを振り返り、ターン中盤、荷重がかかる谷足に意識が集中し、山側の足首が疎かになっているのではないかと反省しました。

写真のように、山足を畳み込んで前後差を作ることで荷重し、足首の角度を深く保ったまま、次のターンに入っていくテクニックを、次の滑走では試してみます。

ああ、待ち遠しい。

 

今まで我流で滑ってきましたが、スクールに入ったこと、さらにさまざまなスキー板を試乗したことで多くの気付きを得て、将来に楽しみを見い出した一日でした。

吹雪だったけど。

 

スキー学校の受講証に、ワンポイントメモが記入されていました。

 

試乗したスキー板の印象

「 ATOMIC REDSTER S9I  165cm ラディウス12.7m」

「今季、メタルの入れ方とサイドウォールの変更により、足元は優しいが、グリップ感と板の剛性は格段に上がっている」と、ウェブサイトで高評価だったので、朝イチに試乗したスキー板です。

ターン後半で、センターにしっかりと乗ったまま加速していく感覚は素晴らしかったのですが、トップにバタツキがあり、雪面に喰いついていく感じがありませんでした。

それは、とりもなおさず、ターン始動部が私の欠点だと、示しているのかもしれません。

 

本日試乗した8台の中では、一番のお気に入り。トップエッジのかかりが非常に良く、回転の初動導入が楽です

「SALOMON S/RACE RUSH SL 165cm ラディウス13.0m」だと思うのですが、ネット検索すると、テールの SONS of a BLAST のロゴが入っておらず、他の機種なのかなと、ちょっと疑問です。

 

朝の受け付けの際、「どの板が人気ナンバーワンですか?」とインストラクターに訊いたとき、返ってきた答えが「ストックリ」でした。

ストックリはスイス唯一のスキー製造会社で、1945年の創業以来、一貫して同じ製法、同じ技術で製作しているそうです。

独自の販売店でしか扱わなかったため、その古い歴史にも拘わらずあまり知られていなかったのですが、アメリカに住む身内がスキーライターにテストをさせたところ最高の評価を受け、世界中の競技スキー関係者の間で知れ渡るようになったといいます。

輸入され市販される板は、選手が使用しているスキーと全く同じ構造、サイドカーブ、材質ということで、世界のトップが使用している板と同じ板がはけるという、稀なメーカーです。

本日試乗したのは「STOCKLI SL LASER 165」。トップの捉えがよく、テールの抜けはマイルド。常に雪面に吸い付いている感覚でした。日本国内での販売価格は20万円近いそうです。

 

第三クワッドリフトで上り、シルバーコースとしらかばコースを滑り降りて、試乗のスキー板を履き替えるという、戸隠スキー場でのローテーションでした。

 

番外編

ネットで拾った文・画像ですが、参考になりました。

 

「私が所属するスキースクールで撮影会を行った時のことです。

写真右が私、左が校長です。

私が少し前で後ろから私に合わせる形で校長が滑っているのですが、私はインストラクターとしての滑り、校長は演技者としての滑りなんです。

そう、撮影会なのですから、生徒さんに教えるときの滑りよりは、プレーヤーとしての滑りをすべきだったのです。

 

2人のフォームと雪煙の上がり方の差は、そこにあります。

 

私の滑りは、スピードは抑えめで横へのエッジングが強いものであるのに対し、校長の滑りは、この斜面と雪質に合った、スピーディーで板を滑らせる滑りなのです。

太腿が立ち気味で雪煙の上がり方が小さいです。

 

私が制動の強い滑りをしてしまったので、校長はそれに落下速度を合わせながらも私よりも少し大きめのターン弧で合わせてくれました。

普通のインストラクターには、こういう芸当は不可能、まさに『プロの技』ですね」

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