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日本海ちいさな旅・越後トキめき鉄道にトキめきはあったか。

昨夜の宿、柵口(ませぐち)温泉「権現荘」をあとに、バスで能生駅へ、今日は「えちごトキめき鉄道」で妙高高原を経由、長野を目指します。

 

能生駅でバスを降りると、入れ違いに妙齢の女性が乗り込んで行きました。

あとに一瞬、花の香り。

その香りにかぶさるように潮の匂いが、海からの風に運ばれてきます。

…なんていう展開は全くなくて、私だけを降ろすと面倒くさそうに発車して行ったバスを見送り、駅前広場に目を移すと、人気がまったくない広場には、看板だけが愛想を振りまいているのでした。

音はなく、人影も見えず、動くものは何一つなし。

海岸まで距離があるので、潮風も感じられません。

 

列車の出発時刻まで間があるので、日本海まで足を伸ばすことにします。

信州人の私にとって「能生町」という名には、常に海の思い出とつながる懐かしい響きがあります。

町は2005年、青海町とともに糸魚川市と合併しました。

昨日泊まった柵口(ませぐち)地区では1986年1月、権現岳山頂付近で発生した表層雪崩により、死者13名を出す雪崩災害が発生しています。

途中のナルスでトイレを拝借。

15分ほどで国道8号に突き当たりました。遠く弁天岩が青空をバックに浮いています。

弁天岩はフォッサマグナの海底火山噴火でできた岩礁で、岩上に建てられた「厳島神社」と燈台が、能生漁港へ出入りする漁船の安全を見守っています。

陸と結ばれた橋の赤い欄干、白い灯台、島を装う松の緑が、美しいコントラスト。

歩いて行くにはちょっと遠いので、今日は遠望するだけにします。

弁天岩からさらに東へ1.5kmほど、道の駅「マリンドリーム能生」の海岸には、トットコ岩(糸魚川の方言で「ニワトリ」の意)という奇岩もあり、その独特の形は見る人の目を楽しませてくれます。

 

能生駅に取って返し、電車で長野を目指します。

 

能生10:13 → 11:21 新井 12:14 → 12:41 妙高高原 12:43 → 13:27 長野

 

えちごトキめき鉄道は、北陸新幹線の延伸に伴ってJRから経営分離された北陸本線と信越本線の一部区間を運行する、第三セクター方式の鉄道事業者です。

市振駅 – 直江津駅間は「日本海ひすいライン」、妙高高原駅 – 直江津駅間は「妙高はねうまライン」と呼ばれ、市振駅で「あいの風とやま鉄道」に、妙高高原駅で「しなの鉄道」に、直江津駅で「JR信越本線・長岡方面」と「北越急行・ほくほく線」に接続しています。

 

能生駅を出発、7分ほどで到着する「筒石駅」は地下40mのトンネル内にあり、地上とは300段近い階段で結ばれ、ホームから地上に出るまで5分を要するそう。

エスカレーターとかエレベーターなんてものは無いようです。

 

1912年(大正元年)12月、北陸本線が直江津駅から糸魚川駅まで開通した際、筒石駅は地上にありました。

しかし、一帯は地すべりに悩まされる地区で、駅ホームにまで土砂が押し寄せる事態が繰り返されたそうです。

 

そこで、複線電化工事の際に線路がトンネル化されるのですが、駅存続の強い地元要望により1969年、筒石駅は地下に移転、「モグラ駅」として営業が継続されたとのこと。

Google検索に”筒石駅”って打ち込むと、予測に”筒石駅 心霊”って出てきました。・・・トキめく、というよりドキドキしそうな駅。

次回、時間を作って探検しようと思います。

権現荘の朝食で出たパンを、鞄に忍ばせてきました。

抹茶の濃い味が旨い。

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